サウンドの錬金術とUSレゲエシーン

 

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USレゲエバンド 不動の人気の理由

Sublimeのフロントマン Bradley Nowell(ブラッドリー・ノウェル) の死後、そのサウンドの錬金術は規模を大きくしながら新たな種を生み出し、現在USまたはUKを中心にもはや定番とも言えるジャンルにまで成長した。Sublimeのサウンドはパンクロックにスカ、レゲエ、ダンスホール、ヒップホップをミックスした『Sublimeサウンド』であり、そのクレイジーな立ち振る舞いも含めて彼らは一気にコアな音楽ファンを夢中にさせた。「40 oz. to Freedom」は爆発的なセールスであり、当時ラジオからは名曲Date Rapeが鳴り続けた。バンドは東海岸までツアーを行い、さらに人気は不動のものに。Robbin the Hoodではホームワーク的なDIYなサウンドも含めて多くの名曲を収録。そして3作目となるアルバム「Sublime」リリース直前、Bradはこの世を去った。96年2月の出来事だ。

動当時はまだ小学校に通っていた筆者セマフォは19歳の時に、Sublimeに出会い熱狂的なファンになった。SublimeファンでなくともUS西海岸シーンを代表する名曲「Santeria」はあまりにも有名で意味を理解できていないだろうテレビ番組のBGMで使われるほどだ(他にもPawn Shop、Smoke two Jointsなどがかかることもあるが地上波で流すあたりに無知を伺える)。19歳のある日、ご機嫌な兄が職場であるレコ屋から帰宅し筆者に一つのピンバッジを渡した。それはSublimeのトリビュートアルバム「Forever Free」の特典で付いてくるものらしく、恐らく見本か商品に付属できないものだったため兄が持って帰ってきたらしい。当時、Greenday、Rancid、NOFX、Offspringなどの西海岸パンクに狂っていた僕に兄は言った。

「西海岸パンク好きならこいつは知っておけ」

匠が弟子に秘奥義について記されている巻物を渡すが如く、兄は僕にピンバッジを渡した。しかし、後に聞くと兄はほとんどSublimeのことを知らなかった。なんだそりゃ。

ンバッジを貰った当時、今のようにスマートフォンなどはなく所謂ガラケーしかなかった。それに常にジリ貧の僕はまだ聞いてもないバンドの音源を気軽に買うなんてこともなかった。そのため、翌朝どこかの「着うた」サイトでSublimeの音源を探してダウンロードした。それが音楽史に残る名曲「Santeria」だった。ワンコーラスしか録音されていないそのケチな着うたをベッドに横たわりながら再生した。

そして、僕の人生は大きく変化した。

人生を変えた魔法の音

20歳の頃、僕はレゲエ、スカ、パンク、ヒップホップを取り入れたバンドを組んだ。ただし、そんなニッチなサウンドは地元では全く聞かれることはなく、バンドは不仲もあり1年足らずで解散した。その中のコアなメンバーとはいまだに仲が良いのだが、今でも僕らは当時の自分たちのサウンドは最高であるという自信がある。なぜなら、それはSublimeサウンドであるからだ。

在はこのウェブサイト以外にも音楽系サイトを立ち上げそこでも色々なバンドにインタビューをしている。2018年に入り、ゲームライターとしてIGN JAPANにて記事を執筆できたこともあり、Semaphoというライターを生業にしたいと思っている。それらのきっかけは全てSublimeなのだ。Sublimeを知らない周囲の同世代に記事などで伝えている間にフリーライターとしても活動を始めていた。

れほどまでにSublimeの音は今聞いても全然古くない。20年前の曲だとは信じられない。YouTubeなどでミュージックビデオが出ていはいるものの、気になった人には音源を買って聞いてもらいたい。

哀しみと Long Beach Dub Allstars

Bradの声を聞きたい、という渇きに似た思いが時々浮かぶことがある。ドキュメンタリー作品を購入したり、ライブ映像、トリビュートライブなどを観るたびに彼の偉大さを知る。

は、Sublime解散後どうなったのか。Sublimeのメンバーと友人たちによってSublimeの楽曲は引き継がれることになった。そのバンドこそ Long Beach Dub Allstarsである。ボーカルにはバンドメンバーのタトゥーを掘るなどアーティストとしても活躍するOpie OrtizとLas-ONEの二人が担当した。Long Beach Dub AllstarsはSublimeサウンドを引き継ぎながらもさらにダブやレゲエの深みを増し、Bradを失ったファンを再び夢中にさせた。

回からはSublime以後のバンドについて語っていく。Sublimeのことは知っていてもその遺伝子を引き継いだバンドについて知らない人にはおすすめできる。僕が屋根裏部屋を築くまでのストーリーと共に現在のレゲエサウンドについても今後多く紹介していく。

ライター/Semapho

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