極撰ライブラリ#1 The Skints

 

The Skints

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ゲームフリーライターが本気でおすすめする音楽

ームフリーライターとして2017年から挑戦を続けている一方で、音楽記事も2017年後半から増加してきたのには理由がある。単に新作ゲームタイトルの面白いシステムやストーリーの見どころを伝えるのなら僕じゃなくてもできる。というか既に文章で伝える技術が僕よりも遥かに高い人々によって伝えられている。しかも毎日。そして度々お伝えしているのだが、僕がやりたいことはそういう最新情報やゲーム紹介をメインとしたものではない。2017年、それらを掲げていたのだが実際、Dead by DaylightやARK Survival Evolved情報のアクセスが非常に多く、それが嬉しかったためアップデート情報などの最新情報を欠かさず伝えていた。けれど、ある意味ではそれらは通り過ぎに見ることができる看板のような情報に過ぎない。このセマフォの屋根裏部屋というウェブサイトには20本のインタビューが掲載されており、それらは通り過ぎるついでに読めるようなものではない。僕はカルチャーについて伝えていくことが最もやりたいことであるし、一つのカルチャーの発信地にしていきたいとも思っている。例えば僕の地元・福岡に存在する「Oil Works」のような音楽もグラフィティも発信するクリエイター集団が理想だ。ゲームの中にあるコアな思想や趣向というのはストリートにおけるそれに非常に似ている。PUBGにおいてバイクで家の壁に突っ込んで内部をクリアリングするというぶっ飛んだスキルをエンタテインメントにすることと、スケーターの縁石やステア一つにおけるユニークなアプローチは非常に似たマインドから成立していると思っている。

ームと音楽をストリート的思考で融合してカルチャーとして発信することが僕ならではのやり方だ。難しいかも知れないが、例えば、現在この記事を読んでいる音楽好きの人が「PUBGってなんだ?」や「バイクでクリア……?」となってもらえているならばそれがまず最初の段階の一歩目なのだ。これはe-Sportsの普及としても捉えることもできるし大正解だが、もっと言うならばストリートでしのぎを削っている人々ならばゲームの中にあるコアな成分に共感できると信じているからだ。そしてコアな音楽に触れたことのないゲーマーにとってもゲームで何気なく使われる音楽「ジャズ」「ブルーズ」「ロック」「パンク」「ヒップホップ」「レゲエ」などの音楽がどういう現場で生まれ、どういった表現方法で伝えられていくのかを知ることはゲームのコンポーザーの原点知ることになると思われる。互いのカルチャーの共感が生まれればそれが最も素晴らしいことだと思う。

ちろん、現在すでに両方好き、または理解している人もいるだろう。その場合は上記の説明は省略してもらって構わない。ここまで長々と説明してきたのは、ゲームフリーライターがわざわざコアな音楽を紹介する意味や必要性が一般的に理解できない可能性があったためだ。そしてカルチャーというのは一般的に必要性がなくても生まれ、その後必要とされていく。さて、本題に入ろう。ここからは二歩目だ。

The Skints 世界最高到達点に君臨するバンド

常に長い前置きになってしまったが、今回僕が本気でおすすめするバンドはThe Skintsだ。イギリス、ロンドン出身のバンドであり、そのサウンドはレゲエ、スカ、ロック、パンクをミックスしたものだ。これだけを聞くとSublimeやFishboneなどを思い浮かべる人も多いかも知れないが、The SkintsのレゲエやスカはThe Clashがそうであったように「ジャマイカ直系」とも言えるサウンドだ。例えばThe ClashとThe Specialsの雰囲気を兼ね備え、そこにより現代的なダンスホールやヒップホップやクラブサウンドを鳴らしている。

The Skints / Let’s Stay Together (Al Green Cover)

界最高到達点、というのは年間かなりのバンド、ミュージシャンの音源を聞く僕の個人的な感想なのだが、それだけThe Skintsのサウンドや立ち振る舞いにはこれまでのパンクやロックの歴史が詰まっていると言える。その話をしよう

The SkintsはMarcia Richards、Joshua Waters Rudge、Jamie Kyriakides、Jonathan Doyleの四人からなる。まず、バンドはUKらしさが随所にある。例えば上記したクラッシュやスペシャルズのようなレジェンドからの影響が強いのも確かだが、その後USにおいてそのイズムを受け継いだOperation Ivy、Rancidからの影響もあると語っている。また、ファッションにしてもドクターマーチンのCM動画に出演したり、Fred PerryのポロシャツをはじめモッズスタイルなどUK発信のカルチャーをスタイリッシュに取り入れている。また個人的に最も驚いたのはギタリストのJoshの風貌やギターの弾き方がジョー・ストラマーとテリー・ホールを足して二で割ったようなスタイルであること。しかも、自身のボーカル曲ではダンスホールの強い影響を感じる歌い方(トースティング)であることから、UKにおけるパンクとスカの歴史を知っている者ならニヤリとしてしまうだろう。

The Skints / This Town ft.Tippa Irie and Horseman

The Skintsの最大の強みはMaricia、Josh、Jamieの三人が曲によってメインボーカルを変えるところにあると思われる。それぞれ特徴があるのだが、最も魅力的なのは三人のコーラスワークにある。そのコーラスワークはThe Gladiatorsがそうであるようなジャマイカのレゲエを思わせるものだ。

 

イブについては年々、規模が大きくなり2017年はKEMURIのツアーに同行し、来日も果たした。そのライブを観に行けなかったのは2017年最も悔いの残る出来事であったかも知れない。僕はThe Skintsが来日前、まだまだ日本ではほとんど情報が伝えられていない頃にヴァイナルを輸入するほどに彼らのファンなのだ。

し、The Skintsのことをもっと知りたい場合はUKロック、パンクの歴史を辿ると良いだろう。もちろんセマフォの屋根裏部屋でも機会があればそれらの歴史を紐解いていく。The Skintsはそれら歴史に登場するバンドやカルチャーを踏襲しながらも新たなサウンドをグローバルに展開している。例えば、Sublime with Romeとのツアーやアメリカ西海岸最大のレゲエフェスティバル「California Roots」に2016年に参加するなど国内外問わずThe Skintsの人気は高まっている。特にヨーロッパでは不動の人気にあるように思う。日本ではこういった音楽がポップシーンに伝わる機会はほとんどないため、この記事を読んで気に入ってくれたなら嬉しい。今回、フリーライターが本気ですすめる音楽、としてお伝えしたのはイギリス・ロンドン出身のレゲエバンド The Skints だ。

ライター/Semapho