DEAD DOZEN インタビュー 開発チームに聞いた”現在”と”未来”

 

DEAD DOZEN インタビュー

2017年の素晴らしいゲームラッシュを終え、「来年はこんなゲームラッシュがあるのかな」などと寂しさと若干の不安を感じていたことは確かなのだが、そんなものは年明け早々に吹き飛び、3月現在では「今年もすごいゲームが多いな」という思いに変わっていた。FPSやTPSというジャンルはゲーム性に魅力があり、プレイヤー数が潤っていれば驚くほど長く遊べるという特徴がある。「Counter Strike Global Offensive」や「Battle Field 4」「Rainbow Six:Siege」などがそうだ。

そして、今回非常にユニークかつ魅力的なシステムを搭載したFPS「DEAD DOZEN」の開発チームへインタビューを行うことができた。「DEAD DOZEN」とは最大12名のプレイヤーの中からランダムに1名グールに選ばれ、生存者側とグール側に分かれることになる。さらに面白い点は倒されたプレイヤーがグールになってしまうことにある。さらに、生存者側はバリケードを設けるなどの戦略的な行動も重要になるため、あらゆる選択肢がある点も興味深い。

このインタビューは開発中のバージョンにおける記事である。そのことを理解して読んでもらいたい。

見出し

――「DEAD DOZEN」は1993年のソビエト連邦を舞台にしていますね。あなたたちがテーマとしてそれらを選んだ理由を教えてください。

子どもの頃、私はヤクーツクで”デス・バレー”と呼ばれる場所の伝説を聞かされていたのです。人々はこの場所が呪われていると考えていました。ここを立ち入った人は行方不明になったり、奇妙な病気で死んでしまったのです。彼らが言っていたのは”大きな鉄の塊が地下に行くのを見た”ということです。現在、この場所に関するいくつかのセオリーがあります。1つ目は「放棄されたソビエトの核基地であった」というセオリー。残りのセオリーは「エイリアンに関係する」「古代文明の残骸であった」などですね。つまり、我々は実在する場所にインスパイアされたのです。これらのゲームの伝承を既に記しているので将来役に立つことを願います。

――12名のプレイヤーからランダムに1名、グールが選ばれるというシステムに「汝は人狼なりや?(人狼ゲーム)」を彷彿とさせるものを感じます。しかし、違う点は”倒されたプレイヤーがグールになる”というユニークなシステムです。このゲームシステムについてはどのように生まれたのですか?

我々はゾンビ映画やそれに関する物事の大ファンなのです。我々がゲームを開発する以前「もし、僕らがゾンビゲームを作ったら」とイメージすると、”感染”と”ゾンビへの転移”が主なメカニックスになると思ったので、最初にそのメカニックスを入れることにしました。我々は感染しゾンビに転移することがゾンビ作品の特徴だと信じています。なぜなら、それがなければゾンビゲームではないですからね。実際にこのゲームのシステムではゾンビではなく新たな特徴になっていますが、これは既に「Simpsons」がやっていたことでもあるのです。それは「Half-Life 2」のゾンビパニックソースMODなのですが、我々はこのMODの大ファンで、我々にインスピレーションを与えた大きな材料なのです。しかし、これはずいぶん昔の放棄されたMODですが。つまり、我々はゾンビ映画に則った上で、彼らのアイディアを改善し、自分たちのゲームに取り入れました。”感染”というのは非常にクールなアイディアなのです。あなたのフレンドが目の前で倒されたと思ったら、具合が悪そうに立ち上がりあなたに襲い掛かってくる時、多くの感情が生まれるでしょう。プレイヤーが死亡した直後に立ち上がり、パートナーを攻撃するというメカニックスは他のゲームにはないものです。

――プレイヤーが選択できる”クラス”は存在しますか?

はい、生存者側とグール側がマッチングする直前にクラスを選択できます。クラスに関して考えた時、我々は最初に独特の能力を持ち、プラス面とマイナス面を併せ持つゲーム「Rainbow Six Siege」に焦点を当てました。例えば、生存者側には”Spike”というクラスがあります。”Spike”は『有刺鉄線』という特別なアイテムを持っています。もし、あなたがそれを踏むと、移動速度が落ちてしまいます。また”Spike”は体力と射撃能力が高いのですが、マイナス面は非常に鈍足であることです。このクラスはディフェンスに特化しているということになります。別のクラス”Boost”について述べると、彼は非常に足が速く、より多くの重たいものを運ぶことができます。また、移動速度を上昇させる特殊アイテム『アドレナリン』を持っており、その状態の彼を捕まえるのは至難の業です。ですが、”Spike”のような防御の高さはありません。

――グールは非常に強靭で恐ろしい姿ですが、どんなアビリティ、スキル、身体能力を持っているか教えてください。

マッチングの直前に12名のプレイヤーの中から1名ランダムでグールに選ばれます。そのプレイヤーはゲームに進行すると”グール・リーダー”としてマップの端に遷移し、”グール・リーダー・クラス”を選択します。それは通常のグールよりも強く、ユニークアビリティを所持しています。生存者側に時間経過と共にダメージを与える「Thirst for blood(血の渇き)」を発動するには”グール・リーダー”は恐怖を蓄積させなければいけません。グールもアビリティを持っていますが、リーダーより脆弱であり、アビリティについてもどの”グール・リーダー”が選択されたかによります。

ゲームのアーリーステージとして一つの”グール・リーダー”である”Rover”のみ選択できます。”Rover”には各攻撃に感染確率を擁しており、また3つのスペシャルアビリティを持っています。1つ目は”Torment(苦痛)”という、数秒間操作できなくなるが自身の体力を回復させるもの。2つ目のアビリティ”Tough Skin(タフ・スキン)”は敵からの攻撃ダメージを減少させることができますが、同時に移動と攻撃速度が遅くなります。3つ目は”Berserk(バーサーク)”で、これは皮膚を赤色に変化させ、数秒間移動と攻撃速度を上昇させ、キリングマシーンのようになるでしょう。彼のグール(通常のグール)には2つのアビリティがあります。1つ目は”Rover”と同じく”Torment(苦痛)”です。2つ目は”Infected hands”であり、これによりグールに感染させることができます。今後、さらに”グール・リーダー”を追加していく予定です。

DEAD DOZEN インタビュー

――クラスによって変化する武器カスタマイズ要素はありますか?

これは先に言ったクラスがゲーム側であらかじめ作られているのでカスタマイズはできません。つまり、選択可能な武器としては探索要素がゲームのメインとなるメカニックスなので、ゲームスタートする以前に武器を選ぶことはできないのです。プレイヤーはスタート時にはピストルしか持っておらず、武器やマガジンを自身で見つけていく必要があるのです。キャラクターカスタマイズについてはフル・バージョンで実装する予定です。

 

――バリケード設置というのも重要な要素であるように思います。どんな場所にバリケードを設置できますか?またバリケードの素材はどのように入手できますか?

その通りです。バリケードはこのゲームのキー・メカニックスなのです。バリケードはあなたの目の前ならば、ロッカー、椅子、テーブル、マップ上に点在する場所に設置できます。あなたはどこの穴でもバリケードで塞ぐことができますが、それはあなたが来た場所への道を塞ぐことになることを忘れてはなりません。また、壁や天井も忘れないことですね。彼らは注意していないとすぐにそこを破壊してあなたを攻撃してきます。しかし、バリケードは必須アイテムではなく、地図上を走り回り銃で撃ってグールに勝つことも可能なのです。

――「DEAD DOZEN」では何種類の銃が登場しますか?また、グレネードやフラッシュグレネード、近接武器などはありますか?

ゲームのアーリーステージでは、7種類用意しています。ライフルが3つ、ショットガンが2つ、ピストルが2つ。近接武器については今後追加していく予定です。グレネードやフラッシュグレネードは現在、追加予定はありません。

――「DEAD DOZEN」はアーリーアクセス版としてリリースされます。今後どのような要素が追加されていくのでしょう?またあなたたちが「DEAD DOZEN」の開発で目指す理想について教えてください。

アーリーアクセス版のリリース後は近接武器の追加、グール・リーダーの追加、スキルやマップの追加、グラフィックやアニメーションの改善をしたり、最適化などを行います。「DEAD DOZEN」で目指すのは長い間プレイヤーに記憶されるゲームを開発することです。

――「DEAD DOZEN」を開発するにあたり、最も大事にしていることはなんでしょうか?

 

私たちの目標は高いクオリティと遊ぶのが楽しいゲームを作ることです。目標を達成するには3つの重要なことが必要になるのです。一つ目は「アーティストは木を切ってオフィスを暖かくし、プログラマーは朝に森で朝食を探してくる」ということ。というのは冗談ですが(笑)
開発者の仕事というのはルーティンワークです。我々はゲームを作ることが好きなのでこのルーティンを恐れません。もっと言えば、我々は夜まで働きづめで休日は日曜日だけです。時には夜をオフィスで過ごさなければならないこともありますが、我々のユーザーのための高クオリティの製品開発は止められません。これは大きな喜びなのです。

――「DEAD DOZEN」のコンソール版リリースの予定はありますか?

PC版の成功によってそれは異なるでしょうね。しかし、それは我々の大きな夢でもあります。


――あなたたちがクリエイターとして影響を受けたゲームを教えてください。

 

我々にとって大きな影響としては「Rainbow Six Siege」、ゾンビパニックとしては「Left 4 Dead」ですね。ありふれたかのように思うかも知れませんが、我々は独自のメカニックスに挑戦しています。それにより、ユニークなゲームになると信じています。

――好きな日本のゲームはありますか?

 

我々は日本のゲームのファンです。私の場合「バイオハザード」シリーズや「スーパーマリオ」シリーズです。子どもの頃は「スーパーマリオ ブラザーズ」をたくさん遊んでいました。しかし、今思うと私にとって最高の日本のゲームは「ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド」ですね。ゲーム業界における最高の一本だと思います。魔法の世界に入ると、ゲームに終わりはなく毎回驚きと新たな発見があります。そこにはディベロッパーの膨大な仕事と彼らの魂が落とし込まれています。

――日本には多くのFPSゲーマーがいます。彼らにメッセージをよろしくお願いいたします。

皆さんに遊んでもらえれば光栄です。ヤクーツクに来てくれたら皆さんを”デス・バレー”へ手配しますよ(笑)

「DEAD DOZEN」開発チーム Fntastic Studios

 

DEAD DOZEN インタビュー

 

インタビューを終えて……。”風土”と”革新”

インタビューに応えて頂いたのは開発チーム Fntastic Studiosの Aisen氏である。兄弟でこのスタジオで開発しており、兄のEduard氏はCEOでもある。彼らはインタビューの冒頭に「僕らの顔は日本人によく似ていると言われます。日本を旅行した時は周囲も驚いていましたよ。僕らはあなたたちの北の兄弟です」というメッセージを残してくれていた。

私はそれだけでなく、「デス・バレー(死の谷)」という呪われた地。足を踏み入れてはいけない禁忌というスピリチュアルなものからも日本に共通するマインドを感じた。もっと言うと、お互いに母国語は英語ではなく、得意でないからこそ説明のための一文を添えるなど心遣いにもシンパシーを感じた。

ヤクーツクの風土は彼らだからこそ表現できる強みであり、なによりも身近にある恐怖だったのかも知れない。だからこそ、それらをゲームの根幹に落とし込むというアプローチこそ彼らのアイディアの源であるのだと思った。革新というのはきっと技術だけでなく、それを扱う人々の発想に芽生える。それが彼らにとっては身近にあるリアルな恐怖「デス・バレー」なのだ。

Semapho

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