モンスターハンター: ワールド 累計売上本数800万本の売り上げについて

スポンサー広告

モンスターハンター: ワールド ゲーム業界のお金の動き

 先日、『モンスターハンター: ワールド』の累計販売本数が800万本を超えたというニュースが話題になった。これはつまり、PS4とXboxOne版の売り上げ本数であり、現在予約購入を受け付けしているSteam版を除いたものである。800万本なんて、とんでもない数であることはゲーマーはもちろん理解していると思われるが、実際にどれだけのお金が動いたのだろうか。

ずは簡単な計算から始めてみよう。800万本売り上げたということは、一本「8980円」のソフトが800万本売れたということだ。これは計算してみると、71840,000,000(718億4000万円)ということになる。正直、泡を吹きそうになる金額だ。1963年に設立され、日本のスーパーカーブームを支えた、高級車メーカー「ランボルギーニ」の『アヴェンタドール』が新車で4500万円ほどであると言われているが、それが「1596台」買えるだけのお金を一本のゲームタイトルで動かしたことになる。

かし、これだけの金額が丸々CAPCOMの利益になったかと言うともちろん、そうではない。筆者は元ゲーム開発者であり、末端ながら大手制作会社に所属していた。その経験から述べていこう。

「開発費」という莫大なお金

ず、ゲームのプロジェクトを立ち上げる時、「プランナー」が企画書を出し、プレゼンテーションを行うことが一般的だ。「プランナー」とは、その名前の通り開発に関わる様々なプランニングを行う部署の人間のことを言う。プロジェクトの進行状況の管理(スケージュール管理)や、企画書では予算案について概ね出し、売上見込みやターゲットについても明記していく。この作業は基本的に会社の規模が大きければ大きいほど、突き詰めたものになる。さらに、『モンスターハンター』シリーズのようなビッグプロジェクトならば、もっと明確に方向性などを決めたことだろう。これについては後述していく。

ちろん、「プランナー」だけがプロジェクトを立ち上げる訳ではない。「プログラマー」の中にはプロジェクトの立ち上げに参加する人間もいる。というのも、実際に「こういうゲームにしたい!」と言っても、それが実際に動くかどうかは「プログラマ」に腕にかかっている。実のところ、一口に「プログラマー」と言っても、様々な部署や担当があるため、単に「プログラマー」と言うのは曖昧な表現になる。ここで言う「プログラマー」は統括をしているような人間のことだ。

れらは一般的な例なので、ビッグタイトルならば「~ディレクター」とか「~プロデューサー」などの肩書を持つ人間が立ち上げることも多い。その辺りは会社によって違ったりもする。

にかく、そんな流れで、ゲームのプロジェクトは立ち上がる。そして、決められた「予算」と「期間」に従って開発を行っていく。さあ、スタートである。

モンスターハンター: ワールド




発には段階がある。最初から人員をフル動員したりはしない。例えば、なにも出来上がっていない状態でテスターが必要ないことを挙げれば、分かりやすいだろうか。これらは、経費の削減にもつながる。会社の人間であれば、残業代~ヒットした際のインセンティブまで給料が発生するし、外注であればクリエイターから声優、メディア費用(タレント起用など)と相当なお金がかかる。意外かも知れないが、広告費は相当なウェイトを占めることがある。私が所属していた会社はメディアとの関わりが上手だったので、余計に広告費などがかかっていたと思われる。つまり、『モンスターハンター: ワールド』のようなタイトルであれば、数億円の開発費をかけたことが予想される。

のことから、分かるようにゲーム開発というのは、まとまったお金が必要であり、ヒットしなければゲーマーからの中傷だけでは済まない傷を負うことになってしまう。近年ではKickstarterで開発費を募る動きが主に海外で一般的となっているが、こういった背景があるのだ。

次のページでは「718億円」という莫大なお金の行き先を考えてみよう

1 2