モンスターハンター: ワールド 「累計販売本数800万本超え」の売り上げについて

モンスターハンター: ワールド

モンスターハンター:ワールド で潤ったのはメーカーだけではない

718億円というお金の行き先

て、もちろん800万本も売り上げた『モンスターハンター: ワールド』は当然、黒字のプロジェクトになったはずだ(そうでなければゲーム開発なんて夢がない)。結論から言えば、一般的にソフトの売り上げの4割強から6割もないほどが、メーカーへ入ってくる。「メーカー」なんて、またまた曖昧な表現をしているが、本作はCAPCOMが権利を持っているタイトルであり、パブリッシュも開発も関わっているため、それらをひっくるめてこの記事では「メーカー」と呼んでいる。

Steamストアを日ごろから利用している場合、「ディベロッパー」や「パブリッシャー」という言葉を聞いたりするだろうが、前者が「開発者」、後者が「販売元」である。音楽で言うなら、「バンド」と「レーベル」みたいなものだと捉えてくれたら分かりやすいだろう(バンドメンバーが作曲したと想定する)。

れぞれの立場や開発の関わり合いによって、売り上げから入ってくるお金は違うのだが、大体が上記の値段ほどであると言われている。実は、ゲーム制作会社の人間でもこの辺りの勘定を正確に把握している人間は極めて少ない。ただ、社内に事情通みたいな人間が必ず存在しており、「今回のタイトル、〇〇円売り上げたから、インセンティブ期待できるぜ」なんて会話が行われている。

ちろん、この辺りの勘定は関わっている会社の数や、ハードによっても変わってくる。もちろん、多くのプラットフォームでリリースした方が費用は掛かる訳だ。その分、多くのゲーマーにリーチするため可能性は生まれていく。

えば、前項で説明した外注の会社やクリエイター、声優は契約時に予算を決めているので売り上げに左右されることは少ないはずだ。売り上げによって、上下するのは流通や、物理的な費用(変な言い方なのは承知)である。物理的な費用というのは、コンソールのパッケージ版であれば「DISC」や説明書、パッケージ費用のことだ。刷れば刷るほど当然費用はかかる。ただし、正直なところPLAYSTATION4などのROMはなかなか安くなっているはずで、Nintendo Switchのカートリッジに比べれば安価である。つまり、このことからダウンロード版は販売元にとっては諸経費を削減しつつ、利益になるため旨味があるのだ。そのため、インディーディベロッパーはSteamストアなどのダウンロードが基本のストアでリリースしやすいということになる。

れらの経費を考えて、例えば売り上げの5割がCAPCOMに入っていたとする。そうすると、359億円が会社を潤すことになるわけだ。ただし、潤ったのはCAPCOMだけではない。忘れてはいけないのは、小売店やSONYなどのゲームハードメーカーの存在だ。

SONYの場合、800万本も売り上げたソフトなのだからPS4本体も相当数売れたはずだ。それに加え、そのユーザーが別のソフトを購入することだって考えられる。その連続で多額のお金をゲーマーが動かしていることになる。小売店も同様だ。原価で売るなんてありえないため、利益がそこで発生している。おまけに、コントローラーや別のソフト、アクセサリーなどが売れたら、そこでも利益が発生する。

まりは800万本で718億円が動いた、と安易に想定してお伝えしたわけだが、それだけでは済まない金額が動いている。ゲーマーが動かしたのだ。




なぜ「売れた」の理由の一つ

敢えて、今さら引き延ばして言うことでもないため結論から言うと、初めてプレイするユーザーにとっても「遊びやすい」仕様とアクション性の向上にあるだろう。モンスターの数で言うと爆発的に増えた、という訳ではないだろう。これまでのシリーズをプレイしてきた私も「遊びやすい」という印象を持ち、非常に楽しくプレイすることができた。

間違いなく言えることは、この感覚というのは最初のプロジェクトの立ち上げ時に方向性として出されていたものであるということだ。より、多くのゲーマー層をターゲットとしたプロジェクトであるということだ。さらに、PS4は女性ゲーマーも多い。そういった市場の拡大からも本作のヒットが伺えるし、そこを理解して開発していったことを考えればゲーム開発が面白く感じるのではないだろうか。

Steam版はすでに多くのゲーマーが購入しており、ヒットの兆しがある。一つのタイトルがこれだけのゲーマーを動かすというのはなんだか素晴らしいことに思える。今後のモンハンムーブメントに期待していきたい。

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