The 1975 Sincerity is Scary ジャーナリストによるサウンド分析&レビュー

 

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誠実さは恐ろしくもある。そんなメッセージをユニークなMVに。

The 1975 A Brief Inquiry Into Online Relationships

The 1975はUKはマンチェスター出身の幼馴染で結成されたロックバンドだ。オルタナティブロックとも分類される、そのサウンドはニューウェーブやポップミュージックなどのエッセンスも備えている。日本国内でも人気は高く、新アルバム『A Brief Inquiry Into Online Relationships』への期待が高まっている。本稿では、You Tubeにおいて公開されたばかりの新曲『Sincerity is Scary』のMVを参照しつつ、そのサウンドの分析とレビューを行っていく。

ず、私が思わずニヤけてしまったのは、イントロから鳴るピアノのゴージャス且つ爽やかな音だ。Norah Jonesの『Don’t Know Why』のように湿度のある音なのだが、朝から聞いても心地よいだろう。さらに印象的なのは、ビートにある。恐らく、これはシーケンサー(MPCやMaschineなどの)によって奏でられたものだと思われる。ハイハットの入れ方や、4小節ごとのケツに来るスネアの入れ方(ディレイを用いたようなアクセント)がヒップホップやクラブミュージックのそれを思わせる。さらに、トランペットのサウンドも心地よい。ソウルミュージックやファンクの影響を感じつつも、ビートによってラフな雰囲気が演出されている。もし、The 1975を知らずに、『Sincerity is Scary』だけを聞いたら、ロックバンドとは思わないかも知れない。

The 1975 Sincerity Is Scary

VERSEは全体的に一定のリズムをもって歌うというよりは、ビートに沿ったり、その隙間を言葉で埋めたりという足し引きがなされている。ただし、CHORUSはオーディエンスで大合唱できるような分かりやすいメロディになっており、気持ちの良いフックというイメージを持つことができた。

全体としては、幅広いブラックミュージックに影響を受けているという印象だ。そのため、上述した内容を含め、骨太ロックを求めた人々が満足できるか、と問われれば首を縦に振ることはできない。ただし、現在の多くのリスナーはジャンル問わず、様々な音楽を聞くようになっている。そのため、ロックがどんなものか、ブラックミュージックがどうだ、などという理解を必要とはしていない。そういったことを考えると、多種多様なロックであると捉えることもできるだろう。つまり、それこそがオルタナティヴロックなのだ。ニューアルバム『A Brief Inquiry Into Online Relationships』は2018年11月30日(現地時間)に発売予定である。Spotifyなどの配信サービスでも配信予定だ。

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