Ratboys エモ、オルタナティヴロック、フォークなどを切なさで包むサウンド

 

そのサウンドはロックマナーに則って、切なさで壊しにくる。

ぜだか、エモだなんて言葉が日本で流行っちゃってるけど、エモがPUNK ROCK(ハードコア・パンク)から生まれた、ある意味での副産物であることを知っているリスナーは多くない印象だ。それは、メロコアについても同じで、「メロディックハードコア=メロコア」なんだけど、ここ最近は「メロディがあって芯のあるバンド=メロコア」なっている気がする。もちろん、そういったサウンドがダサいわけではない。きっと、カッコいいバンドはいるはずだ。けれど、ハードコアを名乗る上で覚悟はあるべきだ。カルチャーにおける歴史は積み上げるべきで、もしそういったものを塗り替えたいのなら、破壊的なマインドをもった上でやるべきだ。ハードコア・パンクや、その後のエモはそういった「破壊のマナー」に則っている気がする。

Ratboysというバンドは面白い。ギターサウンドがエモなんだけど、ロックマナーに則ってる。つまりは、それがオルタナティヴロックっていうことなんだろうけど、楽曲を聞いてそういったことを考えさせてくれるバンドは珍しい。昨年か一昨年か忘れたけれど、Twitterで「スマパン好きは要チェック!」とツイートしたら、多くの反響があってピースな気分を味わうことができた。本稿では、オルタナティヴロックバンドRatboysを紹介する。

Ratboysは国内では「Friend of Mine Records」 から音源がリリースされている。先月、Japan Tourを行い、多くの日本人のリスナーにも知られるきっかけになったのではないだろうか。よく、「インディーロック」として紹介されているが、Ratboysのサウンドとはなんだ。と言われた時にそう答えるのは不十分過ぎる。Ratboysにはギターとリズムトラックに特徴がある。ボーカルのJuliaが弾くギターはとにかくルーズさを忘れていない。コードの切り替えの際にミュートを入れ、キビキビとしたサウンドにするのではなく、スライドさせるような弾き方をするのだ。舌がもつれたように、奏でるギターとボーカルのアプローチが合わさって、独特の雰囲気を出している。ギタリストのDavidは歪ませたギターのリフやコードなど、上品さがある。それでいて、キラーフレーズとも言うべき、耳に残るサウンドを出している。もっと、面白いのは多くの楽曲において、JuliaとDavidのギターのサウンドバランスは五分五分になっている。これ故に、「ギターロック」と呼ばれることがあるのだ。ただし、リズムトラック、つまりベースとドラムも非常にタイトだ。基本的にはピッタリとくっついているが、コーラスにおいてボーカルの歌い終わりに耳に入ってくるベースのフレーズは秀逸だ。ベースは丸く、モコモコし過ぎない程度に中音域が美味しい印象だ。ドラムについては、3点(ハイハット、スネア、キック)の音が良い。例えば、ポップパンクバンドのように弾けたスネアの音が多いという印象だ。恐らく、Ratboysを聞いて「PUNK ROCKを感じるな」と思った人はこの辺りが理由かも知れない。

Ratboys

Ratboysは2017年にアルバム『GN』をリリースしている。また、Japan Tourに合わせて、EPの収録曲とボーナストラックを収録した、日本限定版アルバム『GL』をリリースしている。アコースティック版の楽曲も収録されており、レアな音源になっていることは間違いない。興味があれば、「Friend of Mine Records(リンク下記)」からチェックしてみると良いだろう。

Ratboys

・Friend of Mine Recordsはこちら

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