2Mello 2064: Read Only Memories インタビュー

 

2Mello とは

今回、セマフォの屋根裏部屋がインタビューを行った相手は、
サウンドデザイナー/コンポーザーとして
2064: Read Only Memories の開発に参加した
2Melloさんです。

2Melloさんはゲーム音楽やヒップホップなどを
マッシュアップさせたトラックや、
サンプリングした楽曲を多くリリースしており、
それらに用いる機材の話などマニアックな情報も聞いてきました。

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・2064: Read Only Memories オフィシャルサイト はこちら

2melloインタビュー

・あなたはビデオゲームや
あらゆるサウンドをサンプリングしていますね。
私はあなたからゲームへの強いリスペクトを感じます。
これまでサンプリングしたゲーム音楽などについて教えてください。

 

ー ゲーム音楽についてはクロノトリガー と
Jay-Z のリミックスアルバムを2013年にリリースしました。
そこからラッパーの Nas と 悪魔城ドラキュラ シリーズ を
サンプリングした『Nastlevania』、
Wu-Tang Clan と ファイナルファンタジー VI を
サンプリングした『Final Fantasy: 3/6 Chambers』などもあります。

他にもNotorious B.I.G. と Mother 2 を
サンプリングした『EarthBIG』や、
最近では様々なヒップホップアーティストと
古代祐三が作曲した
ベア・ナックルのサウンドトラックを組み合わせた
『Streets of Resistance』も制作しました。

リミックスしたゲーム全てが大好きですし、
子どもの頃によくゲームしながら
同時にラジオで聞いていた
ラップアーティストからもアイディアを得ています。

※サンプリングとは……
サンプラーや機材によって、
楽曲のワンフレーズ、または声、環境音などを録音し
組み合わせることで楽曲を作るヒップホップの手法。
現在ではクラブミュージックだけではなく、
ロックなどにも用いられるようになり一般的になった。

上の動画は Persona5 と Mobb Deep のマッシュアップ

 

・日本のビデオゲームからのサンプリングも多いと思います。
あなたの思う日本のビデオゲームの楽曲の良さとは何だと思いますか?

 

ー僕の思うに日本のビデオゲームの曲には、
   とても強烈でキャッチーなリードメロディがあるんです。
   日本のゲームミュージックスタイルを参照しない限り、
   北米にはこのような ゲームサントラ はないでしょうね。

   北米のコンポーザーは、
   よりシネマティックにオーケストラ的な作曲を目指していて、
   それらはバックグラウンドとして映画の音楽があります。
   長いコード進行に頼った曲で強烈なリードメロディがないのです。
   これはゲームミュージックの8-bit、16-bitの時代の頃のように、
   技術的な制限がないのでより簡単であると言えますが、
   僕はゲームサントラが常にそうであるべきとは思わないですね。

 

・最近プレイしたゲームなんですか?
またその印象について教えてください。

 

ー最近は Wolfenstein Ⅱ: The New Colossus をプレイしました。
  ゲームプレイに大満足とは思いませんでしたが、
  ゲームのテーマ、音楽、シナリオは大好きです。
  大きな瞬間におけるキャラクターの間にある小さな相互作用も好きです。
  他のゲームよりもシナリオが大胆であるとも感じました。

  また、Nier; Automata の2週目をプレイしています。
  というのも、このゲームは今年最もハマったゲームでもあり、
  これまでプレイしたゲームの中で最高の一作です。
  間違いなく、音楽をリミックスしますよ。
  この二作品は今年プレイしたゲームの中で
  素晴らしいクオリティのシナリオでしたね。

 

・これからリリースされる
ゲームの中で期待しているものを教えてください。

 

ー今すごく楽しみなのは2018年に
   ニンテンドースイッチ でリリース予定の
   2Dゲームの 『Celeste』 ですね。
   また、『ドラゴンボールファイターズ Z』も楽しみです。
   僕は格闘ゲームは得意じゃないのですが
   グラフィックが本当に素晴らしいですね。

 

・楽器や設備というのも
サウンドデザイナーにとっては非常に大事ですよね。
私もChilloutやJazzy Hip-Hopなどの楽曲を作るのですが、
2Melloさんがレコーディングする際、
使用しているキーボードやソフトウェアを教えてください。

 

ーソフトウェアで一番に使っているのは Ableton Live 9 ですね。
   それからお気に入りの ソフトシンセ は
   Native Instruments の FM8 です。
   それに加えて Kontakt のサンプルライブラリと
   CDからサンプリングした音も使っています。
   それらは著作権のある音を使わなくとも
   Jazzy Hip-Hopを作るのに役立つことでしょう。
   AKAI の MPK Mini と MPD 26 も
   MIDIコントローラー としてよく使っています。
   MPK Mini は 本当にすごいキーボードですが、非常に小さいんです。
   それがデスクに載っているのが好きなんです。

・好きなコンポーザーはいますか?

 

ー数人好きな方はいますし、全員が日本人です。
  光田康典 さんの作品の中でも
  特に クロノ・トリガー のサウンドトラック が大好きです。
  また、長沼英樹 さんの ジェットセットラジオ や
  ソニックラッシュ シリーズのサウンドトラックも好きです。
  山岡晃 さんのユニークなスタイルの中でも
  サイレントヒルシリーズの曲が好きです。

 

・私は 2064: Read Only Memories の曲をいくつか聞きました。
ベースはアナログシンセのようで、
サックスの音が非常にムーディであったり非常に印象的でした。
レトロなアドベンチャーゲームに素晴らしくフィットする曲ですね。
2064 の曲を作るようになったきっかけを教えてください。

 

ー二つのゲームをリミックスした
  ファーストアルバムをリリースした後、
  2064のプロデューサー Matt Connが僕に連絡を取ってきたんだ。
  そして、サンフランシスコで開かれる Gaymer X で
  演奏してみないか、って聞かれたのです。
  僕らが知り合った後、
  彼はゲームを作っていてKickstarterのキャンペーンのために
  曲を書いてくれないかと言ってくれました。
  そうして僕はコンポーザー/サウンドデザイナーになったのです。
  実はそれ以前に他のサウンドデザイナーやミュージシャンも
  招待されていたのでですけどね。(私の勝ちですね)

 

・2064の曲の制作において工夫した点はどこですか?

 

ー僕はこれまでのサイバーパンクとは
   違うサウンドトラックにしたかったのです。
   制作を始めたころ、
   サイバーパンクと言えば、
   ブレードランナーのような映画の曲をよく知っていました。
   しかし、2064はもっと明るい色やキュートな世界があるのです。
   ゲームディレクターの JJSignal が僕に送ってくれた
   古代祐三の曲に使われている FMシンセ や
   小島秀夫 の作品『スナッチャー』のサウンドトラック、
   昔のアニメの『バブルガムクライシス』から
   いくつかのインスピレーションを得ました。
   曲はアップビートでポップなものが世界の明るさとマッチしました。

 

・これからの目標はなんでしょうか?

 

ー僕はホラーゲームや日本のRPGの曲を
   90年代のようなクラシックなスタイルで作りたいです。
   もし、これを読んでいるゲームクリエイターの方で
   これらのジャンルを求めている方がいらっしゃれば、
   ぜひ連絡をください。低価格で引き受けますよ。

(2melloオフィシャルサイトはこちらから)

・日本のゲーマーにメッセージをお願いします。

 

ー皆さんが2064: Read Only Memories の
   音楽とサウンドを楽しんで頂けることを願っています。
  そしてそれがサイバーパンクというジャンルについて
  より深く考えるきっかけになれば嬉しいです。
  そして人間に代表されるように
  ゲームにもさらに多くのテーマがあります。
  そして僕のゲームリミックスや
  ヒップホップを聞いてくれることも願っています。

 

2mello/Sound Designer of 2064: Read Only Memories

ライター/インタビュアー Semapho

インタビュー あとがき

サウンドコンポーザー、というと
僕は2melloさんが挙げた方々の他に
目黒将司さんが第一に浮かびます。

ゲームのサウンドデザイナー/コンポーザーというと、
あらゆるジャンルの音楽に精通していて、
さらにミックス、マスタリングも熟知している方が多く、
同じく楽曲制作をしている僕からすると
『天才的』とも言える人たちが多くいます。

これまでサンプリング、という
手法を知らない方にとってはもしかすると
少しマニアックなインタビューだったかも知れません。

サンプリングというのは、
インタビュー中にも記述しましたが、
楽曲の『美味しいポイント』に気付けるかどうかによります。

それをヒップホップマナーに則って、
なおかつゲーマー魂を存分に発揮するやり方で
楽曲を発表し、音源をリリースすることは、
他にはなかなか無いスタイルであると思っています。

2064 Read Only Memories では、
これまでのサイバーパンクのイメージに縛られない
ポップかつムードのある楽曲を披露しています。

この機会に様々な音楽と世界に触れてみるのも良いかも知れません。

 

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