Nulbarich 「和製 Maroon 5」と呼ばれるサウンドと彼らの唯一無二とは?
Nulbarich バンドとサウンドの特徴は?
シティポップの再ブームが2012年以降に起こり、CEROやLucky Tapes、Awesome City Club、never young beach、bonobosなどのバンドが”お洒落に聞かれる”ようになった。それまで、ジャズやブルーズ(ジャック・ジョンソン的なサーフブルーズ含む)、ファンクなど、音と言葉一体でサウンドを展開する音楽が好きだった筆者にとっては、喜ばしいことであった。単純に同じ音楽が好きな仲間が増えた方が世の中は楽しい。世界がほんの少しだけ真っ当な方向に進んだ気持ちになれる。
ブームがムーブメントになり、シティポップという言葉に真新しさがなくなった今、筆者は同時期に露出してきた2組のバンドに完全にヤラれている。1組目がWONKである。そして、2組目が今回のテーマとなるバンド、Nulbarichだ。
はっきりと言ってしまえば、WONKとNulbarichをシティポップと位置付けるのは誤りだろう。両方ともにもっとストリートの匂いが漂っている。ある意味での不良感だ。そして、そんな音が心地よい。ただし、シティポップバンドと共通している点も多くある。ジャズやファンク、ソウルミュージックに大きな影響を受けている点だ。つまり、90’sに日本でパンクロックバンドが大量に登場した際、多くがUSのパンクシーンに影響を受けていた光景と同じく、Nulbarichは海外のサウンドをダイレクトに取り入れているのだ。つまり、山下達郎や荒井由実にワンバウンドするのではなく、Maroon 5などが辿った道を同じく歩んでいる、という印象だ(もちろん、彼らは偉大なミュージシャンへのリスペクトは忘れていないだろう)。
「和製 Maroon 5」と一部で呼ばれていることについて、彼らがどのように受け止めているかは分からない。ただし、Maroon 5を聞いているリスナーがNulbarichの楽曲を聞けば、すぐに理由が分かるだろう。しかし、留意していただきたい点はNulbarichには、「和製 Maroon 5」という言葉では包囲することができない、不思議なサウンドがあるのだ。
「和製 Maroon 5」は序章に過ぎない。
筆者の地元・福岡には、「和製 Weezer」と呼ばれた、Holidays of 17というバンドがいた(解散してしまったのだが)。彼らはWeezerに影響を受け、泣き虫ロックなサウンドを展開していたのだが、もちろんオリジナリティが目立っていた。むしろ、”モロ”Weezerみたいな楽曲の方が少ない。
Nulbarichについても、「和製 Maroon 5」という言葉だけで理解するのはもったいない。下の動画は2018年8月に公開された、『Kiss You Back』のMVである。テレビCMでも聞いたことがある方は多いかも知れない。例えば、この楽曲は意識せずに聞いてみると「綺麗め」な音かも知れない。しかし、実は弦の擦れる音やピッキングノイズを積極的に残しているように聞こえる。また、イントロのギターの音の粒は不揃いで、まるでチョップした音のようにも聞こえてくる。
レコーディングした綺麗な音にあれこれ足して、敢えて音を汚す。という手法もあるのだが、『Kiss You Back』については、 レコーディング風景が想像できるほどに、その場の空気を大事にされているように思う。サビでは、バスドラムやスネアが良い味を出しており、綺麗過ぎないのだ。この辺りのバランス感覚は非常に面白い。そこに、伸びのある日本語の歌詞を乗せているのだが、驚くほどに違和感がない。
Nulbarichの唯一無二のサウンドは、そこにストリートを感じるという点である。これはMaroon 5にはあまり感じないところである。例えば、スケートカルチャーやストリートのファッションには独特の雰囲気がある。これは上述したように、清濁合わせ持つ不良感のようなものだ。Nulbarichにはそれがある。というよりも、筆者はそこにNulbarichのオリジナリティを感じるのだ。例えば、唾奇やJinmenusagiらの楽曲を聞く際の構え方と大きなギャップがないのだ(これは、唾奇とWONKのARATAが渋谷でゲリラライブをした印象が強いからかも知れない)。こうなると、単純に「和製 Maroon 5」と言うには勿体なく思えてくる。他にも多くのカルチャーとの結びつきだってあるだろう。あるいは、それはまだ序章なのだ。
Nulbarichをチェックするには?
Nulbarichは今後の新譜にも期待ができるだろう。メディアにも度々登場していることから、音楽好きの間ではマストな存在となりつつある。最新の情報はNulbarichのオフィシャルサイト(リンク)とTwitter(リンク)をチェックしてみるのがおすすめだ。
記事のシェアはこちら
『Session』オープンワールドスケートボードゲームの早期アクセス開始予定日がアナウンス2019年8月14日
『レインボーシックス シージ』のデータが保存されたDNAを注入したエナジードリンクが製造2019年8月13日
近況報告: 散らばった活動を一直線上にまとめる作業中2019年8月13日
Within the Cosmos 人類の生き残りとして戦う、ファーストパーソンSFRPG2019年8月12日
本日発売予定のライフシミュレーター『NEW LIFE』って?2019年8月12日
今日は何の日?5月28日は「ゴルフ記念日」ということでゴルフゲームたちを紹介2019年5月28日
『VA-11 HALL-A』PS4&Switch版 5月に発売!トレーラーと概要を紹介2019年5月27日
Deep Diving Simulator リアルなダイビング体験を追求する新作シミュレーター2019年5月27日
午後を乗り越えるパワーをもっと!魅力的なゲームトレーラーたちを紹介2019年5月27日
Draugen 1923年のノルウェーを舞台にしたミステリーアドベンチャー2019年5月26日
『Wytchsun: Elleros Origins』数多のバイオームと冒険が待つ中世オープンワールド2019年5月26日
RICO 2019年の台風の目となりそうなFPSがいよいよ登場する……!2019年3月11日
海外ゲーム開発スタジオとリモートワーク中のゲーマーが注目する3月リリース予定のFPS/TPS4作品2019年3月4日
Dead by Daylight パロディ動画 Saminationの新作が公開2019年2月14日
Dead by Daylight ニンテンドーダイレクトにてSwitch版発売をアナウンス2019年2月14日
PlanetSide Arena 惑星での戦いはバトルロイヤルベースに展開する。2019年1月16日
Unsung Warriors Prologue 手作りの2D世界で敵をなぎ倒すアクションゲーム2019年1月15日
RICO 2人の刑事に残された時間は24時間!犯罪者を確保し事件を解決するFPSが登場2019年1月9日
STORMDIVERS 迫りくる嵐「ナノ・ストーム」を掻い潜りTOPを目指すバトロワ2019年1月8日
ROOM BLOOM #3 goosetafの2019年の新作『Sugar』でチルな空間に浸ろう2019年1月8日