Clear Conscience ピースな雰囲気漂うレゲエバンド

Clear Conscience レゲエ、ヒップホップ、ロックをミックスした西海岸出身のバンド

 

SublimeやPepperのファンは必聴!リラックスしたヴァイブス

Clear Conscience

SublimeやSlightly Stoopidを代表とする、西海岸のレゲエバンドには独特の雰囲気がある。パーティーを楽しむような雰囲気でサウンドを展開していたり、ポジティヴな雰囲気が漂っているのだ。本稿ではLos Angelsを拠点に活動するレゲエバンド、Clear Conscienceを紹介していこう。

Clear Conscienceはレゲエ、ヒップホップ、ロックをミックスしたバンドであり、いわゆる「Sublimeチルドレン」に該当するバンドと言えるだろう。ただし、そのサウンドはどちらかというと、Diego RootsやSlackstringを彷彿させる、サーフルーツのような雰囲気がある。SublimeはどちらかというPUNKSに絶大な影響を与えたバンドであり、破壊的なサウンドが印象的だ。実際にSublimeはPUNK ROCK無しでは語ることができない。Clear Conscienceは近年、USレゲエバンドシーンにおいてスタンダードになった、リラックスできるサウンドをいち早く展開してきたバンドだ。2011年頃にはすでにそのスタイルを確立させてきた。さらに、2018年にリリースしたアルバム『Source of Energy』は、ダブやルーツロックレゲエからの影響を強く感じさせるものになっている。

Clear Conscience

Source of Energy【価格と在庫を確認する】

Sublimeファンはもちろん、Slightly Stoopidのようにレゲエとブルーズ、ヒップホップをミックスしたサウンドが好きな人は好みの音楽ではないだろうか。また、SOJAやMaoliのようなアイランドレゲエが好きな人にもおすすめだ。ただし、ジャマイカやUKのレゲエとは若干違うため、好みは分かれるかも知れない。

Clear Conscience

・Jeff Conscience(Lead singer、Rhythm guitar )
・Matt Katzin(Drums)
・Julian Nielsen(Lead Guitar & Vocals)
・Mark Anthony(Bass)
・Kimmy Kennedy(Keys & Vocals)

記事のシェアはこちら

ライター/Semapho Twitterはこちら

 

どんぐりず 歌詞とメロディが一致しない弾き語りユニットへインタビュー

どんぐりず 「歌詞とメロディが一致しない」スタイルはどのように生まれ、どこに向かうのか

 

は王道やら覇道という言葉に完璧に沿った人間を見たことがないのだが、皆はどうだろう。王道ラブストーリー、王道RPG、それらはフィクションであるからこそ、成立する「綺麗な部分」を描いた物語だ。現実はそうはいかず、人は悩み、苦しんで、決して世間様に見せることができない(見せたくない)カッコ悪い姿で、もがくことがあるのではないだろうか。こういった手順を踏みながら考えると、ようやく人間臭いカッコ悪さにも許容されるものを実感できるし、これもまた美しさなのだという解釈が成立する。

――見ろよ青い空、白い雲 そのうちなんとかなるだろう。 植木等「だまって俺について来い」より

画共有サービスYou Tubeの「あなたへのおすすめ」に、アコースティックギターでマキシマムザホルモンの『ぶっ生き返す‼』のカバーをしている青年たちを見かけた人はどれくらいいるだろうか。そして、その動画を再生するとボーカルの青年は、なぜか”草をむしり”、ギターの青年にぶつけていた(しかも、土が目に入らないように配慮して)。

らは「どんぐりず」という群馬在住の弾き語りユニット、または音楽団体である。彼ら自身も、現在の活動のスタイルを形容する言葉としてピッタリくるものが思い当たらないという。本稿では、草をむしることで視聴者の”w”を生やした動画から、4年経過した「どんぐりず」に「歌詞とメロディが一致しない」スタイルの根源や、現在の活動、そして今後について伺った。インタビューの回答は「どんぐりず」のメンバー、チョモランマさんによるものである。

将来的には、「ワンオクに似ているかどうか」で論争させたいです。

――どんぐりずは森さんとチョモランマさんによる「弾き語りユニット」ですが、年齢や職業など、お二人の自己紹介していただいてもよろしいでしょうか。

森、チョモランマともに1998年生まれですが、学年はチョモがひとつ上です。現在は多額の借金を抱えているため、サラリーマンとして返済を続けつつ、創作活動をしております。

――どんぐりずはどういった経緯で結成されたのですか? 結成エピソードを教えてください。

小学生の頃は私チョモは森からいじめられており、4年生(森は3年生)のときに些細な言い争いから半年弱の間、絶交しました。小さな田舎町でお互いの家は徒歩30秒という近さでありながら、なかなか頑張ったなと思います(笑)
その後、和解してからとても仲良くなりました。男あるあるですね。2人とも歌が好きだったので、私が父のギターを勝手に持ち出したりしているうちに、いつの間にかコンビになっていました。

どんぐりず

――30秒はとても近所ですね!二世帯住宅みたいな距離感ですよね。絶交状態から和解に至る、きっかけはなんだったのでしょうか。

僕の一つ上の先輩に無理やり和解させられた記憶があります。仲直りしないと二人とも殴られるシチュエーションだったため、仕方なく仲直りしたような……。懐かしい思い出です。

――お二人はシティポップやヒップホップなど、様々なジャンルの楽曲から影響を受けていると思われます。バンドや、ヒップホップなスタイルでユニットを結成するのではなく、「弾き語りユニット」という形で活動しようと思った理由について教えてください。

弾き語りユニットという名前にこだわっているわけではなく、パッとする形態が見つからないんです。実は2016年に1年ほどバンドで活動していたこともあります。その時は森がボーカル、チョモがギターでそこにベースとドラムを加えた4人組バンドでした。でも、僕たちがわがまますぎて、彼らはやめてしまいました(笑)
でもご心配なく。彼らとはいまでも親交が厚いですし、各々別のバンドで活躍中です。

――(弾き語りユニットに関する回答について)パっとする形態が見つからないというのは、お二人の動画などを拝見していて、私も分かるような気がします。様々な音楽からの影響も感じますし、漫才やコント、テレビ番組などから得たと予想できるユーモアも感じます。お二人がどんぐりずとして、「どのようなことを表現したいか」などユニットとしてのテーマを教えてください。

今までは音楽とユーモアの混合をテーマに活動してきました。でも、最近そういうコンセプトのバンドやクルーなんか結構増えてきましたね。そうなってくると新鮮味がなくって飽きちゃう。「誰もやっていないことをやりたい」というのが根底にあるんだと思います。

Nulbarich 「和製 Maroon 5」と呼ばれる彼らのサウンドの唯一無二に迫る

Nulbarich 「和製 Maroon 5」と呼ばれるサウンドと彼らの唯一無二とは?

 

Nulbarich バンドとサウンドの特徴は?

シティポップの再ブームが2012年以降に起こり、CEROやLucky Tapes、Awesome City Club、never young beach、bonobosなどのバンドが”お洒落に聞かれる”ようになった。それまで、ジャズやブルーズ(ジャック・ジョンソン的なサーフブルーズ含む)、ファンクなど、音と言葉一体でサウンドを展開する音楽が好きだった筆者にとっては、喜ばしいことであった。単純に同じ音楽が好きな仲間が増えた方が世の中は楽しい。世界がほんの少しだけ真っ当な方向に進んだ気持ちになれる。

ブームがムーブメントになり、シティポップという言葉に真新しさがなくなった今、筆者は同時期に露出してきた2組のバンドに完全にヤラれている。1組目がWONKである。そして、2組目が今回のテーマとなるバンド、Nulbarichだ。

はっきりと言ってしまえば、WONKとNulbarichをシティポップと位置付けるのは誤りだろう。両方ともにもっとストリートの匂いが漂っている。ある意味での不良感だ。そして、そんな音が心地よい。ただし、シティポップバンドと共通している点も多くある。ジャズやファンク、ソウルミュージックに大きな影響を受けている点だ。つまり、90’sに日本でパンクロックバンドが大量に登場した際、多くがUSのパンクシーンに影響を受けていた光景と同じく、Nulbarichは海外のサウンドをダイレクトに取り入れているのだ。つまり、山下達郎や荒井由実にワンバウンドするのではなく、Maroon 5などが辿った道を同じく歩んでいる、という印象だ(もちろん、彼らは偉大なミュージシャンへのリスペクトは忘れていないだろう)。

「和製 Maroon 5」と一部で呼ばれていることについて、彼らがどのように受け止めているかは分からない。ただし、Maroon 5を聞いているリスナーがNulbarichの楽曲を聞けば、すぐに理由が分かるだろう。しかし、留意していただきたい点はNulbarichには、「和製 Maroon 5」という言葉では包囲することができない、不思議なサウンドがあるのだ。

Nulbarich

「和製 Maroon 5」は序章に過ぎない。

筆者の地元・福岡には、「和製 Weezer」と呼ばれた、Holidays of 17というバンドがいた(解散してしまったのだが)。彼らはWeezerに影響を受け、泣き虫ロックなサウンドを展開していたのだが、もちろんオリジナリティが目立っていた。むしろ、”モロ”Weezerみたいな楽曲の方が少ない。

Nulbarichについても、「和製 Maroon 5」という言葉だけで理解するのはもったいない。下の動画は2018年8月に公開された、『Kiss You Back』のMVである。テレビCMでも聞いたことがある方は多いかも知れない。例えば、この楽曲は意識せずに聞いてみると「綺麗め」な音かも知れない。しかし、実は弦の擦れる音やピッキングノイズを積極的に残しているように聞こえる。また、イントロのギターの音の粒は不揃いで、まるでチョップした音のようにも聞こえてくる。



レコーディングした綺麗な音にあれこれ足して、敢えて音を汚す。という手法もあるのだが、『Kiss You Back』については、 レコーディング風景が想像できるほどに、その場の空気を大事にされているように思う。サビでは、バスドラムやスネアが良い味を出しており、綺麗過ぎないのだ。この辺りのバランス感覚は非常に面白い。そこに、伸びのある日本語の歌詞を乗せているのだが、驚くほどに違和感がない。

Nulbarichの唯一無二のサウンドは、そこにストリートを感じるという点である。これはMaroon 5にはあまり感じないところである。例えば、スケートカルチャーやストリートのファッションには独特の雰囲気がある。これは上述したように、清濁合わせ持つ不良感のようなものだ。Nulbarichにはそれがある。というよりも、筆者はそこにNulbarichのオリジナリティを感じるのだ。例えば、唾奇やJinmenusagiらの楽曲を聞く際の構え方と大きなギャップがないのだ(これは、唾奇とWONKのARATAが渋谷でゲリラライブをした印象が強いからかも知れない)。こうなると、単純に「和製 Maroon 5」と言うには勿体なく思えてくる。他にも多くのカルチャーとの結びつきだってあるだろう。あるいは、それはまだ序章なのだ。

Nulbarichをチェックするには?

Nulbarichは今後の新譜にも期待ができるだろう。メディアにも度々登場していることから、音楽好きの間ではマストな存在となりつつある。最新の情報はNulbarichのオフィシャルサイト(リンク)とTwitter(リンク)をチェックしてみるのがおすすめだ。

記事のシェアはこちら

ライター/Semapho Twitterはこちら

The Interrupters メロディアスで硬派なスカ・パンクバンドに注目せよ

The Interrupters 話題沸騰中のスカパンクバンドをディグれ

 

The Interrupters どんなサウンド?どんなバンド?

Tim Armstrong(ティム・アームストロング)がOperation IvyからRancidに活動がシフトする中で引き継いだサウンドは、The Clashを彷彿とさせる大合唱できるパンクロックサウンドであった。『Hyena』や『Radio』などの初期の楽曲はもちろん、バンドの代表曲が多く収録されたアルバム『And Out Come the Wolves』は、まさにパンクロック名盤というべきだろう。

ティム・アームストロングはその後も、Transplantsというバンド、またはTim Armstrong、Tim Timebombなどのソロ名義でも楽曲をリリースしている。また、表現の幅をアートワークにまで広げるなど、パンクロックの持つ精神性を広く伝えている。そんな中、一組のバンドのプロデュースに熱心になっているという情報が日本にも伝わってきた。それが、今回のテーマとなるバンド、The Interruptersである。

The Interrupters

The Interruptersはスカ、パンク、レゲエなどのサウンドを取り入れたバンドである。ただし、Sublimeのようなバンドサウンドではなく、RancidやOperation Ivyなどに影響を受けたバンドである。そして出で立ちは、2tone Skaやスキンズファッションを取り入れている。

ライブ実績については、ティム・アームストロングの盟友としても知られる、ビリー・ジョー・アームストロングの在籍するバンド、GreenDayと共にツアーを行った経験がある。GreenDayと言えば、世界で最もポピュラーなパンクロックバンドであり、ツアーがビジネスとして成り立っている海外において、それだけ大きなバンドとツアーを回ることは大きなチャンスであった。

元々、彼らの楽曲に光るものがあったのは、当時からのファンならば知っているだろう。ただし、筆者は当時、フロントマンのAimee Interrupter(エイミー・インタラプター)よりも、ギタリストのKevin Bivona(ケヴィン・ビヴォーナ)のカリスマ性が目立っていると感じていたのだ。もちろん、そのようなバンドは珍しくない。そして、それが悪いということではもちろんない。シド・ビシャスのような例もあるほどだ。ケヴィンのマイクに齧りつくような歌い方と出で立ちに、黒いテレキャスターが映えていたのだ。そして、ギターリフやかきむしる弦のサウンドのどこかに、Rancidがそうであったようなパンクロック・キッズならではの不良感があったのだ。

2018年、The Interruptersはアルバム『Fight the Good Fight』をリリースした。筆者はそのアルバムの完成度と、フロントマンのエイミーのカッコよさに驚いた。間違いなく、2018年マイ・ベスト・アルバムと言ってもいいだろう。元々、エイミーのボーカルはカッコよさとメロディアスなものがあった。しかし、『Fight the Good Fight』では、そのカッコよさに磨きがかかっており、どこかに艶っぽさを感じるのだ。ある意味ではそれは”余裕”なのかも知れない。アルバム収録曲の『Title Holder』のリリックに”Fight like a title holder. Stand like a champion”というフレーズがあるのだが、まさにその通りのサウンドをド頭からケツまでぶっ通しているのだ。「あ、これは最初から最後までずっと聞いていて飽きないやつだ」と率直に思えた。

パンクロックは、ある意味で反論を受け付けないような理不尽な連中をも受け入れる懐の深さがある。だからこそ、バンドが一つの塊となって活躍している姿にパンクスはヤラれるのだ。なぜ、ゲーマー向けの記事を書いているウェブサイトが音楽記事を書くのか。それは、当然「セマフォの屋根裏部屋」がパンクロックの精神に基づいて運営されているからである。

記事のシェアはこちら

ライター/Semapho Twitterはこちら

セマフォの屋根裏部屋

「Sublimeと僕」#2

それまで当たり前だと思っていた世の中と決まり事

 

僕の『Sublime以前』、世の中の『Sublime以後』

前回までの「Sublimeと僕」

学校の頃、野球部で万引き騒動があった。グラウンド近くの百円均一ショップ。ヤンキーの部員が犯人だったがなぜか僕の名前も挙がってしまった。そして何も分からない内に僕は犯人になった。逮捕状の代わりにいきなりのグーパンチを三発もらい口の中は鉄の味に溢れた。「僕じゃない」の言葉は血と共に飲み込んだ。そうしなければ四発目をもらうことは分かっていたし、怖がりの僕は涙をこらえるので精いっぱいだった。

には兄がいて世代的にHi-Standardど真ん中だ。兄は常に身近な社会の理不尽に反発していた。親、学校の先生、警察。それでも父親のことをまともに知らない僕にとって兄は父のような存在でもあり、母と同じく僕のことを愛してくれていた。高校に入り、とあることから兄が少し遠くに行ってしまった。簡単には超えられない壁の向こうの兄のことを思うと涙が止まらない僕は兄の愛用していたフェンダージャズベースを手に取り、身近な社会の理不尽と戦う勇気に出会った。それがパンクロックであり、甘ったれの僕が表現するきっかけだ。

回の「Sublimeと僕」はSublime以前と以後について交えて語っていく。紹介するバンドやミュージシャンはその時々に強く影響を受けたもので、どれもこのウェブサイト「セマフォの屋根裏部屋」を築くきっかけとなる。

最初のパンクロック

にとって高校生活はパンクロックバンドを組むことと引き換えに課される課題のようなものだった。常に何かに苛立っていて、頭の中にはRancidの「Hyena」のベースラインやNOFXの「Leave it Alone」がループしている頃だった。かと言ってヤンキー生徒とはかけ離れていて、成績もまあまあだった。問題があるとすれば人見知りが故に女の子とまともに目も合わせられないところだろうか。

Rancid / Hyena

NOFX / Leave it Alone

まりは僕にとって最初のパンクロックはRancidやNOFXであり、GreenDayだった。僕が高校の頃には「GreenDayがパンクなのか、そうでないのか」という議論がアルバム「American Idiot」によって再燃していた。僕も「パンクとはなにか」という葛藤はあったが、すでに誰かの定義したパンクに収まること自体がパンクでないことには気が付いていた。誰かが決めた『当たり前』や『世の中の決まり事』というものは放っておくと身に付いて剥がれなくなる。GreenDayがパンクかどうか議論していてもまず答えは出ないし、出た答えに興味が湧くはずもない。間違いないのは『American Idiot』が世界中で大ヒットし、日本でも爆発的なセールスを叩き出したこと。そして、その年のGreenDayの日本ツアー、福岡国際センターにて僕は人生初めてクラウドサーフをした。人間が人間の上を泳ぐなんて『世の中の決まり事』とは切り離されているはずだ。そうであって欲しい。少なくとも僕はそれら遥か上空でビリー・ジョー・アームストロングとそれを共有した。この時、17歳だった。

失恋と文庫本とSublime

校卒業後、僕はアメリカに留学するつもりだった。というよりアメリカに行ってメロディックハードコアのバンドシーンに首を突っ込めばなにか人生が変わると思っていた。甘ったれにもほどがある。かつてバスケットボール漫画で「その空気を吸うだけで高く飛べると思っていた」という言葉が今となっては頷ける。

はとある大学の短期大学部に滑り込みで入った。またしてもパンクロックバンドをするためと引き換えに学生生活を送ることになったのだ。これはあくまでも僕が反省した結果得た持論なのだが、大学は将来なにをするか決めるために行く場所ではないと思っている。将来なにをしたいのか決めてから行くものなのだと分かったのは卒業後だ。

は高校時代に奇跡的に女の子とお付き合いすることができた。女の子とは上手く話すことはできないのは今も変わらないが短大時代はもっと酷かった。そんな僕に大人な女性との恋が訪れたのは二回生の時だ。そして、前回の「Sublimeと僕」で語った初めてのSublimeとの出会いはこの頃だ。

のバイト先は商業施設であり、僕が働くすぐ隣の店舗にこれまで見た女性の中で最も可愛い、と思える3つ年上の女性がやってきた。「レボリューション No.3」や「ライ麦畑でつかまえて」など当時読んでいた小説に登場するヒロインのような特別な感覚を彼女に持っていた。

草や笑い方一つ一つにドンドン惹かれていくうちに僕は自分の中のパンクロックが打ち砕かれていくような気がして不安になっていった。それまで身近な社会の理不尽に苛立つことしか原動力にならなかったのに、彼女が身近な存在になるたびに社会との間に空いた溝すら満たすような感情が生まれていたのだ。もしかするとそれはSublimeとの出会いも関係していたのかも知れない。そして、僕と彼女は初めてのデートに行くことになった。

が真っ赤なおっさん、なんだかよく分からない酒を飲むお姉さんなど変わり者がちょこちょことフロアに広がっていた。「福岡のクラブに遊びに行きたい!」というリクエスト通りに僕はよく行っていたクラブに彼女を連れて行ったのだ。普通だったら「どんな音楽が好きなの?」とか「仕事は慣れた?福岡の生活はどんな感じ?」などという切り口から話をするべきだったのだが、僕は彼女にひたすらSublimeの凄さを語ってしまっていた。もし、タイムスリップ出来たのならその時の僕にドロップキックをお見舞いしてやりたい。もしくは、彼女とデートする前に全力で阻止しても良いかも知れない。なぜかって?

となってはなぜ彼女がそんなコネクションを欲していたのか分からないけれど、彼女は僕とデートに行ったクラブの偉い人とその日のうちにデキてしまったのだ。後日談ではあるが「うぶな子がいて利用したら面白そう」などということをその相手に語っていたらしい。やっぱり世の中なんてロクでもない。すっかり僕は元通りのどうしようもないパンクスに戻ってしまった。もしかすると前の方がマシだったかも知れない。

僕は20歳になっていた。

世の中のSublime以降

SublimeとLong Beach Dub Allstarsが世の中に与えたインパクトは現在もアメリカを中心に展開する「ゆるいレゲエバンド」のムーブメントに残っている。Sublimeの人気が高まっていた頃、ハイスクールに通っていた二人の少年、カイルとマイルズはSublimeのボーカル・ブラッドが通うという言われている店にデモテープを持っていこうとした。けれど、年齢制限が厳しいため少年たちは母親にその役目を頼んだのだ。

年たちは当時粗削りなパンクとメタルであったが、確実に光る才能があったことをブラッドは見抜いていた。そしてマイルズたちにレゲエのギターの弾き方を教えたのだ。これが後に爆発的に続出する『Sublimeチルドレン』と呼ばれるSublimeに育まれたバンドの第一号だ。

現在、USレゲエシーンをけん引しているバンド、Slightly Stoopidである。

次回はSlightly Stoopidにハマった21歳からのことを語ろうと思う。またチェックしてもらえると嬉しい。

ライター / Semapho

 

 

The Skints ゲームジャーナリストが本気でおすすめするブリティッシュ・レゲエサウンド

The Skints レゲエ、パンク、ヒップホップなどを合わせたハイブリッドサウンド

 

The Skints ゲームフリーライターが本気でおすすめする音楽

ームフリーライターとして2017年から挑戦を続けている一方で、音楽記事も2017年後半から増加してきたのには理由がある。単に新作ゲームタイトルの面白いシステムやストーリーの見どころを伝えるのなら僕じゃなくてもできる。というか既に文章で伝える技術が僕よりも遥かに高い人々によって伝えられている。しかも毎日。
そして度々お伝えしているのだが、僕がやりたいことはそういう最新情報やゲーム紹介をメインとしたものではない。2017年、それらを掲げていたのだが実際、『Dead by Daylight』や『ARK Survival Evolved』情報のアクセスが非常に多く、それが嬉しかったためアップデート情報などの最新情報を欠かさず伝えていた。けれど、ある意味ではそれらは通り過ぎに見ることができる看板のような情報に過ぎない。このセマフォの屋根裏部屋というウェブサイトには20本のインタビューが掲載されており、それらは通り過ぎるついでに読めるようなものではない。

僕はカルチャーについて伝えていくことが最もやりたいことであるし、一つのカルチャーの発信地にしていきたいとも思っている。例えば僕の地元・福岡に存在する「Oil Works」のような音楽もグラフィティも発信するクリエイター集団が理想だ。ゲームの中にあるコアな思想や趣向というのはストリートにおけるそれに非常に似ている。PUBGにおいてバイクで家の壁に突っ込んで内部をクリアリングするというぶっ飛んだスキルをエンタテインメントにすることと、スケーターの縁石やステア一つにおけるユニークなアプローチは非常に似たマインドから成立していると思っている。

The Skints

ームと音楽をストリート的思考で融合してカルチャーとして発信することが僕ならではのやり方だ。難しいかも知れないが、例えば、現在この記事を読んでいる音楽好きの人が「PUBGってなんだ?」や「バイクでクリア……?」となってもらえているならばそれがまず最初の段階の一歩目なのだ。これはeSportsの普及としても捉えることもできるし大正解だが、もっと言うならばストリートでしのぎを削っている人々ならばゲームの中にあるコアな成分に共感できると信じているからだ。そしてコアな音楽に触れたことのないゲーマーにとってもゲームで何気なく使われる音楽「ジャズ」「ブルーズ」「ロック」「パンク」「ヒップホップ」「レゲエ」などの音楽がどういう現場で生まれ、どういった表現方法で伝えられていくのかを知ることはゲームのコンポーザーの原点知ることになると思われる。互いのカルチャーの共感が生まれればそれが最も素晴らしいことだと思う。

ちろん、現在すでに両方好き、または理解している人もいるだろう。その場合は上記の説明は省略してもらって構わない。ここまで長々と説明してきたのは、ゲームフリーライターがわざわざコアな音楽を紹介する意味や必要性が一般的に理解できない可能性があったためだ。そしてカルチャーというのは一般的に必要性がなくても生まれ、その後必要とされていく。さて、本題に入ろう。ここからは二歩目だ。

The Skints

The Skints 様々なジャンルのサウンドを練り合わせるスタイル

常に長い前置きになってしまったが、今回僕が本気でおすすめするバンドはThe Skintsだ。イギリス、ロンドン出身のバンドであり、そのサウンドはレゲエ、スカ、ロック、パンクをミックスしたものだ。これだけを聞くとSublimeやFishboneなどを思い浮かべる人も多いかも知れないが、The SkintsのレゲエやスカはThe Clashがそうであったように「ジャマイカ直系」とも言えるサウンドだ。例えばThe ClashとThe Specialsの雰囲気を兼ね備え、そこにより現代的なダンスホールやヒップホップやクラブサウンドを鳴らしている。

The Skints/Let’s Stay Together (Al Green Cover)

界最高到達点、というのは年間かなりのバンド、ミュージシャンの音源を聞く私の個人的な感想なのだが、それだけThe Skintsのサウンドや立ち振る舞いにはこれまでのパンクやロックの歴史が詰まっていると言える。その話をしよう

The SkintsはMarcia Richards、Joshua Waters Rudge、Jamie Kyriakides、Jonathan Doyleの四人からなる。まず、バンドはUKらしさが随所にある。例えば上記したクラッシュやスペシャルズのようなレジェンドからの影響が強いのも確かだが、その後USにおいてそのイズムを受け継いだOperation Ivy、Rancidからの影響もあると語っている。また、ファッションにしてもドクターマーチンのCM動画に出演したり、Fred PerryのポロシャツをはじめモッズスタイルなどUK発信のカルチャーをスタイリッシュに取り入れている。また個人的に最も驚いたのはギタリストのJoshの風貌やギターの弾き方がジョー・ストラマーとテリー・ホールを足して二で割ったようなスタイルであること。しかも、自身のボーカル曲ではダンスホールの強い影響を感じる歌い方(トースティング)であることから、UKにおけるパンクとスカの歴史を知っている者ならニヤリとしてしまうだろう。

The Skints/This Town ft.Tippa Irie and Horseman

The Skintsの最大の強みはMaricia、Josh、Jamieの三人が曲によってメインボーカルを変えるところにあると思われる。それぞれ特徴があるのだが、最も魅力的なのは三人のコーラスワークにある。そのコーラスワークはThe Gladiatorsがそうであるようなジャマイカのレゲエを思わせるものだ。

 

The Skints

イブについては年々、規模が大きくなり2017年はKEMURIのツアーに同行し、来日も果たした。そのライブを観に行けなかったのは2017年最も悔いの残る出来事であったかも知れない。僕はThe Skintsが来日前、まだまだ日本ではほとんど情報が伝えられていない頃にヴァイナルを輸入するほどに彼らのファンなのだ。

し、The Skintsのことをもっと知りたい場合はUKロック、パンクの歴史を辿ると良いだろう。もちろんセマフォの屋根裏部屋でも機会があればそれらの歴史を紐解いていく。The Skintsはそれら歴史に登場するバンドやカルチャーを踏襲しながらも新たなサウンドをグローバルに展開している。例えば、Sublime with Romeとのツアーやアメリカ西海岸最大のレゲエフェスティバル「California Roots」に2016年に参加するなど国内外問わずThe Skintsの人気は高まっている。特にヨーロッパでは不動の人気にあるように思う。日本ではこういった音楽がポップシーンに伝わる機会はほとんどないため、この記事を読んで気に入ってくれたなら嬉しい。今回、フリーライターが本気ですすめる音楽としてお伝えしたのはイギリス・ロンドン出身のレゲエバンドThe Skintsだ。

記事のシェアはこちら

ライター/Semapho Twitterはこちら

「Sublimeと僕」#1

サウンドの錬金術とUSレゲエシーン

 

USレゲエバンド 不動の人気の理由

Sublimeのフロントマン Bradley Nowell(ブラッドリー・ノウェル) の死後、そのサウンドの錬金術は規模を大きくしながら新たな種を生み出し、現在USまたはUKを中心にもはや定番とも言えるジャンルにまで成長した。Sublimeのサウンドはパンクロックにスカ、レゲエ、ダンスホール、ヒップホップをミックスした『Sublimeサウンド』であり、そのクレイジーな立ち振る舞いも含めて彼らは一気にコアな音楽ファンを夢中にさせた。「40 oz. to Freedom」は爆発的なセールスであり、当時ラジオからは名曲Date Rapeが鳴り続けた。バンドは東海岸までツアーを行い、さらに人気は不動のものに。Robbin the Hoodではホームワーク的なDIYなサウンドも含めて多くの名曲を収録。そして3作目となるアルバム「Sublime」リリース直前、Bradはこの世を去った。96年2月の出来事だ。

動当時はまだ小学校に通っていた筆者セマフォは19歳の時に、Sublimeに出会い熱狂的なファンになった。SublimeファンでなくともUS西海岸シーンを代表する名曲「Santeria」はあまりにも有名で意味を理解できていないだろうテレビ番組のBGMで使われるほどだ(他にもPawn Shop、Smoke two Jointsなどがかかることもあるが地上波で流すあたりに無知を伺える)。19歳のある日、ご機嫌な兄が職場であるレコ屋から帰宅し筆者に一つのピンバッジを渡した。それはSublimeのトリビュートアルバム「Forever Free」の特典で付いてくるものらしく、恐らく見本か商品に付属できないものだったため兄が持って帰ってきたらしい。当時、Greenday、Rancid、NOFX、Offspringなどの西海岸パンクに狂っていた僕に兄は言った。

「西海岸パンク好きならこいつは知っておけ」

匠が弟子に秘奥義について記されている巻物を渡すが如く、兄は僕にピンバッジを渡した。しかし、後に聞くと兄はほとんどSublimeのことを知らなかった。なんだそりゃ。

ンバッジを貰った当時、今のようにスマートフォンなどはなく所謂ガラケーしかなかった。それに常にジリ貧の僕はまだ聞いてもないバンドの音源を気軽に買うなんてこともなかった。そのため、翌朝どこかの「着うた」サイトでSublimeの音源を探してダウンロードした。それが音楽史に残る名曲「Santeria」だった。ワンコーラスしか録音されていないそのケチな着うたをベッドに横たわりながら再生した。

そして、僕の人生は大きく変化した。

人生を変えた魔法の音

20歳の頃、僕はレゲエ、スカ、パンク、ヒップホップを取り入れたバンドを組んだ。ただし、そんなニッチなサウンドは地元では全く聞かれることはなく、バンドは不仲もあり1年足らずで解散した。その中のコアなメンバーとはいまだに仲が良いのだが、今でも僕らは当時の自分たちのサウンドは最高であるという自信がある。なぜなら、それはSublimeサウンドであるからだ。

在はこのウェブサイト以外にも音楽系サイトを立ち上げそこでも色々なバンドにインタビューをしている。2018年に入り、ゲームライターとしてIGN JAPANにて記事を執筆できたこともあり、Semaphoというライターを生業にしたいと思っている。それらのきっかけは全てSublimeなのだ。Sublimeを知らない周囲の同世代に記事などで伝えている間にフリーライターとしても活動を始めていた。

れほどまでにSublimeの音は今聞いても全然古くない。20年前の曲だとは信じられない。YouTubeなどでミュージックビデオが出ていはいるものの、気になった人には音源を買って聞いてもらいたい。

哀しみと Long Beach Dub Allstars

Bradの声を聞きたい、という渇きに似た思いが時々浮かぶことがある。ドキュメンタリー作品を購入したり、ライブ映像、トリビュートライブなどを観るたびに彼の偉大さを知る。

は、Sublime解散後どうなったのか。Sublimeのメンバーと友人たちによってSublimeの楽曲は引き継がれることになった。そのバンドこそ Long Beach Dub Allstarsである。ボーカルにはバンドメンバーのタトゥーを掘るなどアーティストとしても活躍するOpie OrtizとLas-ONEの二人が担当した。Long Beach Dub AllstarsはSublimeサウンドを引き継ぎながらもさらにダブやレゲエの深みを増し、Bradを失ったファンを再び夢中にさせた。

回からはSublime以後のバンドについて語っていく。Sublimeのことは知っていてもその遺伝子を引き継いだバンドについて知らない人にはおすすめできる。僕が屋根裏部屋を築くまでのストーリーと共に現在のレゲエサウンドについても今後多く紹介していく。

ライター/Semapho

こちらの記事もおすすめ

 

 

PUSHIM×韻シスト TO THE NEXT コラボミニアルバム

PUSHIM×韻シスト TO THE NEXT

 

MV解禁!!ソウルフルでファンキーな大人チューン

筆者が韻シストと出会ったのはもう随分と前になる。地元でバンドをやっていた頃、シーンに嫌気が差して表現することに息苦しさがつきまとっていた。日本語ヒップホップを当時そこまで詳しくなかった筆者は、ART OFFICIALやARTS THE BEAT DOCTORのようなジャズやファンク、ソウルの影響が強い日本のバンドがいないか調べてみた。

調べてから30秒で知ったバンドが韻シストだ。日本にこんなバンドいることを知らない自分のDIGの浅さを恥じたが音楽を知ることに遅いも早いも関係ない。きっとそれは韻シストもPUSHIM本人も認めてくれるだろう。少なくとも筆者が知る韻シストとはそういう人間が揃っている最高のバンドだ。

さて、今回の記事ではクイーンオブレゲエとも称される最高のシンガーPUSHIMと韻シストのコラボミニアルバム「TO THE NEXT」の情報とアルバムタイトルにもなっているリード曲「TO THE NEXT」のMVを紹介していく。この記事では単にフリーライターとしてアルバム情報を伝えるだけではなく、トラックメーカーとしてサウンド分析も行っていく。

コラボミニアルバム TO THE NEXT 2018/2/14

2月14日リリースされるコラボミニアルバムのテーマカラーは『青』。そしてリード曲である「TO THE NEXT」のMVはそのテーマカラーである青色の衣装を着ての撮影。MV撮影後、韻シストとPUSHIMの両者からコメントが届いている。

アルバムはPUSHIMと韻シストのコラボ楽曲である「TO THE NEXT」、「Dreamin’」そして韻シストバンドがサウンドプロデュースするPUSHIM楽曲「Rising Sun」、韻シストの楽曲「とまらない」、韻シストバンドの楽曲「SPACE&TIME」に加え、DJ Mitsu the Beatsの「TO THE NEXT」のリミックストラックという豪華な全6曲からなる。

PUSHIM オフィシャルサイト

韻シスト オフィシャルサイト

韻シストは2017年7月に自身のアルバムをリリースしたばかりの中、今回のホットなニュースになる。全国ツアーを回りさらに多くのヘッズを踊らせる彼ら。PUSHIMとの相性は前回のコラボで既に証明済み。まずは今回解禁されたMVをご覧いただきたい。

TO THE NEXT サウンド紹介&分析「ここがやばい」

まず述べたいのは筆者は韻シストバンドのドラマー・TAROW-ONEの叩く音が大好きであることだ。前回のコラボからいくつかのイメージを持ってこの曲を聞いた。しかし、それはイントロのドラムの熱さからいきなり崩されてしまう。抜けの良いスネアと太過ぎず細すぎないタムの音が気持ち良い。楽曲全体を通して夜っぽい印象を覚えるのだが、そこで良い味を出しているのはハイハットとシンバルなどの金物にある。少しスモーキーなハイハットをオープンにした際の音が楽曲全体の夜っぽさを出しているように思う。

Shyoudogはファンキーかつドラマチックなフレーズが特徴の韻シストのベーシストだ。それにShyoudogは韻シストのサウンドを支える柱のようなもので、韻シストファンにとってはそのベースサウンドは特別なものがある。しかし、この楽曲ではそれだけでなく、PUSHIMのボーカルパートの起伏にピッタリと寄り添う心地さがある。TAROW-ONEとのドラムで作り上げたグルーヴの上でTAKUのギターが大人なトラックを確固たるものにしている。

韻シストのフロントマンはBASIとサッコン。個人的なBASIのラップの「音」について分析なのだが、特徴はドラムとの音の連なりの心地よさにある。これまた個人的な意見なのだが、ラッパー「音」には声やフロウを含めた大きく分けて2つのタイプがあると思っている。一つ目は「リズムトラック的アプローチ」。二つ目は「上物的アプローチ」である。BASIは前者のリズムトラックに沿ったアプローチをしていると分析する。特にKICK(バスドラム)とSNARE(スネア)に対して気持ち良いツボを抑えている。

上記のことを踏まえてサッコンは上物的アプローチであると筆者は感じる。抑揚の付け方や音の伸ばし方の遊び心に余裕があり、これはサッコンならではの特徴だ。もちろん、BASIとサッコンはお互いにリズムに寄り添っているし、メロディをカバーするパートはあるのだがこれまでの楽曲全てにおいて考えると二人のラッパーの違いはそこに出ていると思う。そして、それこそが韻シストのヒップホップバンドの最大の魅力だ。

「TO THE NEXT」の話に戻ろう。この曲はやはりPUSHIMが中心になっている。PUSHIMのフックから組み立てていると思えるような大人の余裕と色気を曲の全体を通して感じる。そしてリリックは両者の特徴である、日常の出来事から得たものを出しているようだ。

セマフォ ポイント

上記したものをまとめ、筆者セマフォが「ヤバい」と思うポイントはこちらだ。

・ソウルフルで大人なトラック
・韻シストサウンドをけん引するPUSHIMのフック
・コラボでもいつも通りラッパー両者が交える声の心地よさ

BONUS TRACKS

冒頭記述したバンド ART OFFICIAL、ARTS THE BEAT DOCTORをご存知だろうか。両者ジャズ、ファンクなどのサウンドから成り立つヒップホップアーティストだ。フィラデルフィア出身のART OFFICIALは同じくフィラデルフィアのヒップホップバンドThe Rootsよりもさらにジャズ色が強い。韻シストとはタイプが違うものの、ヒップホップとジャズが好きな人には間違いなくおすすめできる。

 

その他おすすめ 音楽記事

 

 

Ascot Royals バンド紹介とサウンド分析

Ascot Royals バンド サウンド 紹介

 

Ascot Royals

■公式サイト はこちら
■Facebook はこちら

Jimmy Chauveau (vocals)
Ben Chauveau (keys)
Scott Page (bass)
Sam Stark (drums)
Tal Vaisman (guitars)

Ascot Royalsはカナダのオンタリオ州出身のバンド。
メロディアスでしっかりとしたバンドサウンドが特徴。
フックのあるメロディが人気で、
1st EPはカナダのSONY MUSICからリリースするなど、
実績を積んでいるバンドである。

サウンドの特徴

例えば、日本的な表現でいう
「オーガニックなバンド」としてカナダで人気のバンド
Current Swellのような
クラシックに則ったロックンロールというよりも、
歪んだギターにリバーブをかけて空間を装飾することも、
このバンドの美しくてかっこいい部分。

映像で見るライブでも、
「一曲目からなにかやってくれそう」という
時代をリードしていくバンドが持っている雰囲気さえ感じる。

曲の展開は日本人にとっても分かりやすく、
ボーカルのジミーの声も高音の質が良くて突き抜けている。
正直、日本でも大きなレコード店で取り扱えば
週間売り上げTOP20とかには入りそうな曲調が多い。

セマフォのおすすめポイント

管理人セマフォがおすすめするバンドのポイントは、
ギターや上物の使い方。
ギャーっと鳴らして終わりにせずに、
癖をつけた音色やフレーズにすることで
ボーカルを引き立てるスパイスになっているのが
このAscot Royalsのおすすめの聞き所。

あとはドラムも非常に良い味を出していて、
意識して聞くと面白いのは
ドラムの音が前に出てくる箇所と
ソフトに小さく刻んでいる箇所のバランスが良いところ。

パワーだけで持っていくのではなく、
実は繊細なバランスで成り立っているため、
その分、このバンドのサウンドは
独自の雰囲気を持っているように感じる。

ライター/Semapho

その他おすすめの記事はこちら

 

 

The Alpacas まだ無名ながら、聞くべきロックバンドを紹介

The Alpacas バンド ロックサウンドの紹介

 

The Alpacas とは

The Alpacasは、
カナダのオンタリオ州、バリー出身のロックバンドです。
デビューEP 『The Best is Behind You』をリリースし、
ライブも精力的に行っていますが、
日本でこのバンドを知っている方は恐らくごく少数でしょう。

この記事では、そのThe Alpacasという
『たまらないロックサウンド』を紹介していきます。

The Alpacas/メンバー

Vocals / Greg Lee
Guitar, Vocals / Brent Lee
Bass / Brett Garner
Drums / Nick Harper

オフィシャルサイト
Facebook

 

どんなバンドなのか?

The Alpacasはカナダのバンドということもあり、
僕がここ数年ずっと注目している
カナダのロックバンドらしい王道かつユーモアのある
メロディやリリック、そしてラフさが素晴らしいバンドです。

例えば、カナダのロックバンドで言うと、
Poor Young ThingsやThe Trewsなどがいますが、
それらのバンドと比べてThe Alpacasの特徴を挙げると、
少しキュンキュンするようなメロディ、
そして所々に感じる良いクレイジーさがあります。

僕がおすすめする一曲は、Comb my Hairです。

この曲のビートは、
例えばLookout! Recordsからリリースしていた頃の、
Greendayを彷彿とさせるような初期衝動感がある気がします。

しかし、そのエネルギーが縦横無尽に爆発しているか、というと
そうではなく何だか王道ロックを思わせるような
ある種の『まとまった粗削り感』がそこにはあるのです。

このサウンドは例えば、
Death Cab For a Cutieの初期にも感じるところで、
感傷的なメロディの中に感じる一瞬の狂気のように、
The Alpacasからは『挑戦的なポップさ』を聞くことができるのです。

なぜ、おすすめできるのか?

このセマフォの屋根裏部屋は、
大きなメディアに紹介されないようなゲーム、
またはどこも伝えていないような情報を
インタビューという形で伝えています。

つまり、これは
インディーシーンをインディーな人間が伝えていることになります。
これはDIYやインディペンデントな姿勢に共通するもので、
カウンターカルチャーそのものなのです。

そんなことから、
僕が本当に好きなものや、音楽、スポーツなどを
記事という形で世の中に表現しているのです。

The Alpacasは、
まさにインディーロックですし、
J-POPしか普段聞かない層にとっては
カナダのロックシーンに注目することなんてまずないでしょう。

でも、大事なのは『知ること』です。
「誰が知らせた」なんてことに世の中は興味を持ってくれません。
僕が何本インタビューをして伝えようが
世間から大きく評価されることはないでしょうし、
今更それに大きな価値や意味があるとは思えません。

つまり、『僕が世の中に知らせた』よりも
『誰かが僕の好きなバンドを知ってくれた』の方が
よっぽど価値があるし、バンドのためになります。

ただし、確かに残るものは
その記事は僕にしか書けないという事実です。
これは真っ当な財産になりますし、
積み重ねることで有難みがあるような重厚な印象になります。

六法全書を一ページ剥ぎ取って『これが法律だぜ!』というより、
六法全書の分厚さを見た方がその凄さがより伝わります。

 

 

The Alpacasは音楽という表現で、
そういう積み重ねを続けている段階であると思います。
そういうところに深く共感できます。

もし、The Alpacasと僕。
そして皆さまの良いと思う音楽の差が大きく開いていないなら、
彼らのEPを聞いたり、TwitterやFacebookをフォローしたり、
時には日本語でも良いので応援のメッセージを送るだけで
彼らはより強い魂を以てステージに立つことができるでしょう。

ロックをはじめレベルミュージックは
常に世の不条理と戦っているため疲れてしまうこともあるのです。

そんな中、僕はあなたを応援しています。という一言だけで
人間というのは一年間頑張っていける生き物だと思います。

この記事は僕からThe Alpacasへの応援のメッセージでもあります。

ライター/Semapho

こちらの記事もおすすめです