Portal Knights 開発チームインタビュー”RPGを開拓する”

 

Portal Knights インタビュー あの世界はどうやって出来たか

「マインクラフト」をきっかけに、ボクセルタイプのゲームが急増し、ユーザーの感覚をさらに良いものを求めるように磨かれていった。ある種、ブームというのは一気に広まった後、淘汰されていく。そして、本当に良いものは残る。「Portal Knights」はプレイヤーの記憶に至るゲームだろう。実際に、このインタビュー掲載後、Nintendo Switchへの移植も決定するほどに多くのユーザーから求められている。

セマフォの屋根裏部屋では、この「Portal Knights」の開発チームインタビューを2017年に行った。2本目の開発チームインタビューとなったのだが、気が付けば2018年20本を超えるインタビューを掲載している。そして、この度インタビューを読みやすくスッキリとさせた。開発チームが「Portal Knights」にかける情熱をぜひ、読んでもらえると嬉しい。

 

 

コミュニティが開発チームの推進力

――「Portal Knights」はすでに日本で話題を呼んでいます。それはコンソール版のリリースをアナウンスしてからさらに強まったと思います。そこで私はコンソール版について最初にお聞きしたいのですが、コンソール版とPC版で違いなどはありますか?

コンソール版は基本的にはPC版と変わりないよ。僕の思うに唯一違いがあるとすればPC版においてのワールドサイズ3つがコンソール版で2つになったという点ぐらいかな。

――コンソール版はファンが熱望していたものだと思います。マルチプレイについてですが、マルチプレイをする際、Portal Knightsには公式サーバーなどはありますか?それともプレイヤーがホストになり他のプレイヤーを招くのですか?

dedicatedサーバー(公式サーバー)はないんだ。まず一人のプレイヤーがホストとしてゲームを始め、そこに他のプレイヤー(フレンド)をホストワールドに招く形さ。それが分かりやすいと思っている。それに加えて、ロカールプレイでは画面を分割してプレイすることもできるんだ。しかもその画面を分割した状態で他のプレイヤーをオンラインで加えることもできる。

Portal Knights

――コンソール版においてのアイテムやレシピなどは、PC版と同じボリュームでしょうか?

ゲームコンテンツは全てのプラットフォームにおいてPC版と同じだよ。ただ、コンソール版に関してそれぞれ予約特典などがあって、僕からPS4の日本版について明確なことは分からないんだ。でもスパイクチュンソフト(日本版のローカライズ)から確認できると思うよ。

――次の質問は「Portal Knights」の開発についての質問です。これまでに建築要素やクラフト要素を含んだゲームは多くありました。しかしこのゲームはそれらをすべて網羅したアクションRPGでもあります。これは非常に素晴らしいことだと思っています。あなたたちが「Portal Knights」を制作するきっかけはなんですか?

ありがとう。我々は本当の意味でアクションRPG要素を含んだサンドボックスゲームを作りたかったんだ。我々はこのゲームを作る上で「マインクラフト」「ゼルダの伝説」シリーズや「テラリア」から影響を受けた。「マインクラフト」は本当にすごいサンドボックスだよ。僕らの目線からの意見を言うなら、本当に純粋なサンドボックスという点で優れている。巨大な建造物を建築したり、終わりのない環境を調査したりね。もし、君が誰かの巨大な建築物を見たらそれが強い印象を受けるようにね。

我々が作りたかったのはそれをより小さい環境にクローズアップした個人でも楽しめるようなゲームだったんだ。それもかなり緻密なことを同時に要求されるようなゲームを。「Portal Knights」はさらに戦闘や冒険の楽しみや、銀河のように集まったワールドを発見する面白さを作りたかった。

ワールドはランダムで生成されるけど、それぞれ手作り感のなる質の高いものであるようにしていて、冒険と探求する価値があることを追求したんだ。それから僕らにとって大事なのは、例えば君がCO-OPでフレンドと冒険した時に全員で協力して遊べるようなそんな充実した小さな協力体制を作ることさ。

そういうことから、オンラインプレイを画面分割でも遊べるように追加したんだ。友達と遊んだり、一緒に家を建築することは達成感を映す鏡になるからね。それから君がワールドを探索して稼いだお宝は君の冒険をさらに楽しくしてくれるよ。でもまだ、それらは終わったわけじゃないんだ。これは今後の製品版バージョンの話なんだ。(※インタビュー当時はアーリーアクセスである) 僕らはすでにさらなる開発と改善に向けて一生懸命に取り組んでるよ。

Portal Knights

――あなたたちはクラフトゲームとアクションRPGの相性の良さを証明しましたね。しかも素晴らしいバランスによって。どんな「魔法」を使ったんですか?

それを両立させるのに非常に時間がかかったんだ。まずPC版のアーリーアクセスとしてリリースするのに開発は二年かかった。そしてアーリーアクセスとしてリリース後、さらに一年開発している。コミュニティのフィードバックを聞いて、ウィッシュリストのものと併せて、バージョン1.0としてそれらをすぐにリリースできるようにね。そんな感じでゲーム開発のゴールをハッキリとさせたかった。それはこれまでのストラテジーとRPGの開発をしてきた経験から得た感覚なんだ。新機能のバランス調整や微調整はフィードバックによって多くの助けを得られたよ。だからコンソール版のプレイヤーのコミュニティも、プレイヤーが楽しくプレイできるような開発を進める推進力であることを願っている。

――私はゲーム内の水や草木の美しさにも感動しました。そういったところであなたが「Portal Knights」の制作においてこだわった点はなんでしょうか?

 

我々が開発段階以前にアートディレクションについて会議した時、作りたいオブジェクトとして「クリアであること」「カラフルであること」ということだった。つまり、それはゲームの雰囲気のためにね。ゲームはブロックが一つ一つ成り立っているからリアルに再現しずぎると、あまり良くないんだ。でも、僕らはブロックをソフトに見せたかった。しかもそれらは可能な箇所においては端っこの角を整えて、ブロック同士の縫い目やテクスチャの繰り返しを無くしたんだ。

大きな木や他の装飾的な要素を持つプロップス(ブロックで積み上げて作るものではないもの)は有機的で自然な表現を手助けしてくれる。それらがシンプルな性質であることも同じく重要で、それらは詳細になり過ぎてはいけないからね。そしてそれらは静的でコンパクトでなきゃいけなかった。そうやってその草木はゲームの世界の中でどっちりと存在しているんだ。だけど、我々は同時にそれらはプレイヤーが自分たちが本当に好きなものを創れるようにそれらをカスタマイズできるオプションを与えたかった。多くの防具や自慢したくなるような装備、施設もたくさん追加したんだ。プレイヤーは冒険する中でそれらを調達できるようになっている。

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――私はこのインタビュー記事を日本のウェブサイトで掲載しますが、あなたたちはクリエイターとして日本のゲームや文化に影響を受けましたか?

僕はまず80年代のアーケードゲームに魅了されたんだ。そのあとニンテンドーのコンソールゲームに心奪われたね。SFCやメガドライブがそうなんだけど「スーパーマリオ ブラザーズ」「スターフォックス」「F-ZERO」には影響受けたし、特に「ゼルダの伝説 神々のトライフォース」は全てのゲームの中でも好きな一つだね。当時はコンソールゲームの良いゲームの全ては日本から来たのですべてに影響受けたかな。うちのチームのほとんどはコンソールゲームをプレイするんだけど、その中でも最近はニンテンドースイッチの「ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド」には、多くの時間をかけて遊んだほどなんだ(笑)

アニメもすごく好きだよ。ヴィジュアルとしてはスタジオ・ジブリの作品にもアートディレクションとしてのインスピレーションを「Portal Knights」の制作にも受けたね。

――もし可能なら追加予定のギミックなどを教えて頂けないでしょうか?

残念ながら僕はまだそれらの多くを明かすことは出来ないんだ。でも、我々は次のアップデートに向けて”新しい島”と”新しいイベント”を追加するために開発に取り組んでいるよ。

――日本の「Portal Knights」ファンにメッセージをお願いします。

日本のプレイヤーが「Portal Knights」を楽しんでくれているようで興奮しているよ。実はヨーロッパからでは日本のプレイヤーがクリエイトしたものが素晴らしいものでも、常に我々に届いているわけではないんだ。だからこそ「Portal Knights」のコミュニティを活用してアイディアなどをフィードバックして楽しんで欲しいんだ。「Portal Knights」をプレイしてくれてありがとう。

「Portal Knights」開発チームインタビュー Antony Christoulakis(Keen Games)

ライター/Semapho

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インタビューを終えて ”開発内部のエネルギー”

こうして改めて記事を2018年にブラッシュアップしていると、改めて様々な情報とクリエイターとしてのこだわりが見えたインタビューだったと思う。そして、このインタビューをきっかけにコミュニティがゲームに与える影響の大きさを確信した。

Keen Gamesの開発内部におけるポジティブなエネルギーの循環をすごく感じたし、日本のゲームへのリスペクトを強く感じた。前回の「Deceit」のインタビューでも感じ取れた、不思議な情熱は今も筆者を支えているし、今後も変わらないだろう。

今、インディーゲームニュースが熱い……!

 

 

 

セマフォ